フェリペ6世 (スペイン王)

フェリペ6世について

フェリペ6世（スペイン語: Felipe VI）は、1968年1月30日に生まれ、2014年6月19日よりスペインの国王として在位しています。彼は前国王フアン・カルロス1世と王妃ソフィアの間に生まれた長男であり、その全名はフェリペ・フアン・パブロ・アルフォンソ・デ・トードス・ロス・サントス・デ・ボルボン・イ・グレシアです。彼には二人の姉、エレナ王女とクリスティーナ王女がいます。

王位継承前の経歴

フェリペはフランコ政権の末期、マドリードで誕生しました。全名の一部は、歴代のスペイン王や関係者に由来しています。1969年、彼の父フアン・カルロスが王位継承者として位置づけられる法律が制定され、1975年にフランシスコ・フランコが亡くなると、彼の父が国王となりました。その翌年、フェリペは王位継承者としてアストゥリアス公に叙されます。

学業の面では、カナダのレイクフィールド・カレッジ・スクールを卒業後、マドリード自治大学で法律を学び、さらにジョージタウン大学に留学しました。彼はスポーツにも秀でており、1992年のバルセロナオリンピックではヨット競技に参加し、開会式では旗手を務めました。2メートル近い身長も彼の特徴の一つです。

2004年には国営テレビキャスターのレティシア・オルティスと結婚し、二人の娘、レオノールとソフィアが誕生しました。結婚後、フェリペ夫妻は日本を訪問したり、スポーツイベントを観戦したりすることで知られています。

即位と国民からの支持

フェリペは、2013年には父の国王としての人気の低下を受けて、即位の準備が進められました。2014年6月2日にフアン・カルロス1世の退位が発表され、同年6月19日にフェリペが新国王として即位しました。国民からの支持を背景に、即位時には高い支持率を得ることができました。彼の即位式は議会下院で行われ、戴冠は行われませんでしたが、国王を象徴する王冠と錫杖が用意されました。

国民投票では、フェリペの即位を支持する声が49%にのぼり、共和制に移行するとの意見は36%にとどまりました。このように、当時の世論は彼に対して好意的でした。夫妻は公私の区別をつけ、一般の場でも謙虚な姿勢を見せることで、国民の信頼を得ていきました。

日本訪問と国際的な活動

2017年には国賓として日本を訪問し、天皇とも会見を果たしました。来日中、つたないながらも日本国民に対しての親しみを表し、さまざまなイベントにも参加しました。また、国際的な場でも活躍しており、2019年には新天皇の即位礼に参加し、日本との関係を深めています。

フェリペ6世は、国王としての役割を果たす一方で、自国スペインの文化やスポーツを支援し、積極的に国際交流を推進しています。特に、彼は日本との良好な関係を築くことに力を入れており、特に歴史的な背景や文化の交流を重視しています。

彼の即位後、スペイン国民の間での王室への支持は徐々に回復し、王政の存続が重要視されています。国王としての彼の行動は、国内外での話題となっており、今後の展開が注目されています。

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