フェルディナント (ブルガリア王)

フェルディナント1世：ブルガリアの公から国王へ

フェルディナント（1861年2月26日 - 1948年9月10日）は、ブルガリア公および後に国王として知られる歴史的な人物です。彼は1887年から1908年までブルガリア公（クニャズ）、その後1908年から1918年まで国王（ツァール）として在位しました。

生い立ちと家族

フェルディナントはオーストリアのウィーンで生まれ、ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公の家系に属していました。彼はその背後に流れる血筋として、ポルトガル王やイギリスのヴィクトリア女王とも関係があり、ゆえに「フォクシー・ファーディー」と呼ばれました。彼の家庭環境は裕福であり、特にオーストリア皇帝の愛人として知られる女優との関係が一部の文献で取り上げられています。

政治的キャリア

1886年にブルガリア公アレクサンダー・フォン・バッテンベルクが退位した後、フェルディナントはオーストリア政府の支持を受けて新たなブルガリア公に選ばれました。彼の治世初期、国内では自由主義改革が進行し、彼自身はロシアとの関係を見直す方向に進んでいきました。1895年に首相が暗殺されると、彼はロシアとの接近を再開し、長男の宗教を変更して親ロシア的な姿勢を示しました。

2008年にはブルガリアの完全独立が宣言され、その際に彼は国王に即位しました。このときからフェルディナントは、オスマン帝国に対抗しブルガリアの領土を拡大することを目指します。1912年のバルカン戦争では、ブルガリアが見事な勝利を収めましたが、続く1913年の第2次バルカン戦争では周辺国との争いに敗北し、劣勢に立たされました。

第一次世界大戦とその後

1915年、フェルディナントは第一次世界大戦において中央同盟国側に立ち、国の名誉を回復しようとしました。しかし、戦局は厳しく、最終的には1918年にブルガリアが降伏する結果となります。連合国側の連勝により彼は退位し、息子ボリス3世が即位しました。

晩年

退位後、フェルディナントはオーストリアに避難し、その後コーブルクに居を構えました。彼は自然科学への興味を深め、鳥類学と植物学の専門家としての評価を得ることになりました。特にアフリカへの学術調査旅行が評価され、名誉学位も与えられました。1941年にはコーブルクの名誉市民に選ばれ、1948年にアウグステン宮殿で亡くなりました。

家族

フェルディナントは1893年にマリーア・ルイーザと結婚し、4人の子供をもうけましたが、1899年に早逝しました。その後、1908年にはエレオノーレと再婚しましたが、子供はありませんでした。

彼の家族の中で長男ボリスはブルガリア王として知られ、その他の子女もそれぞれの人生を歩んで行きました。

このように、フェルディナントはブルガリアの歴史において、重要な役割を果たした人物であり、彼の功績と失敗は今日のブルガリアにも影響を与えています。

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