フェルデンクライスメソッド

フェルデンクライス・メソッドとは

フェルデンクライス・メソッドは、20世紀にモーシェ・フェルデンクライスによって開発された、身体と意識の関係性を探求する学習法です。単なるエクササイズではなく、自己認識を高め、より快適で効率的な動きを身につけることを目的としています。身体の潜在能力を最大限に引き出すための、革新的なアプローチと言えるでしょう。

レッスンの種類

フェルデンクライス・メソッドのレッスンは、大きく分けて「ATM（Awareness Through Movement：動きを通しての気づき）」と「FI（Functional Integration：機能的統合）」の2種類があります。

ATM（動きを通しての気づき）

ATMは、グループで行われるレッスン形式です。インストラクターの言葉による誘導に従い、様々な動きを試みます。特徴的なのは、動きを「模倣」するのではなく、自分の内側から自然に湧き上がる動きを大切にすることです。ある特定の動きを行うことで、身体の感覚がどのように変化するかを観察し、その変化から新たな「気づき」を得ていきます。これにより、無意識的な動きのパターンに意識を向け、より自由で柔軟な動きを獲得していくのです。

FI（機能的統合）

FIは、プラクティショナーが直接身体に触れながら、個別のニーズに合わせた動きを誘導する、個別指導のレッスンです。プラクティショナーは、生徒の身体に優しく触れ、無理な力を加えることなく、より楽で効率的な動きを促します。FIは、身体の不調や痛みを抱える人、あるいは特定の動作の改善を目指す人にとって、非常に有効な手段となります。

日本におけるフェルデンクライス

日本には、複数のフェルデンクライス関連団体が存在し、トレーニングコースやレッスンを提供しています。

フェルデンクライスアカデミー: 日本におけるフェルデンクライス・コミュニティの中心的役割を果たしており、トレーニングコースを主催し、多くのプラクティショナーを育成しています。
日本フェルデンクライス協会: フェルデンクライスアカデミーの卒業生を中心に組織され、フェルデンクライス・メソッドの普及活動を行っています。
フェルデンクライスWESTジャパン: トレーニングコースを主催する団体のひとつです。
フェルデンクライス・ジャパン: 東京・新宿にオフィスを構え、個人レッスンやグループレッスンなどを開催しています。

これらの団体では、個人レッスン、グループレッスン、ワークショップなど、様々な形式でフェルデンクライス・メソッドを体験する機会を提供しています。興味のある方は、各団体のウェブサイトなどで詳細を確認することをおすすめします。

参考文献

『フェルデンクライス身体訓練法』M. フェルデンクライス 著　安井 武 訳　大和書房 (1982/12)
『心をひらく体のレッスン』M.フェルデンクライス著　安井 武 訳 新潮社(1988/05) 一光社(2001/10)
『脳の迷路の冒険』M.フェルデンクライス著　安井 武 訳　壮神社(1991/03)
『フェルデンクライスの脳と体のエクササイズ』マーク・リース、デヴィッド・ゼメック・バースン、キャシー・バースン 著 かさみ康子 訳　晩成書房 (2005/11)
『フェルデンクライス・メソッド Walking』ジェームズ・アマディオ著　橋本辰幸訳　スキージャーナル(2006/07)
『はじめてのフェルデンクライス (地球丸からだブックス) 』かさみ 康子著　地球丸からだブックス(2013/2/1)

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