フェロスール

フェロスールについて

フェロスール(Ferrosur, S.A. de C.V.)は、メキシコ合衆国における重要な鉄道運営組織です。その名前は南東の鉄道を意味する「Ferrocarril del Sureste」の略称であり、英語ではSoutheast Rail Systemとして知られています。フェロスールの営業路線は、合計で2,093kmに及び、鉄道インフラは政府が所有しながらも、その保守と管理の大半を担う役割を果たしています。

民営化の過程

フェロスールが設立される背景には、メキシコの経済成長を促進するための運輸部門における財政支出の抑制がありました。これに伴い、メキシコ国鉄の民営化が推進され、南東鉄道の一部が民営化に至りました。最初は南東鉄道全体を一括で民営化する計画がありましたが、重要なテワンテペク地峡を横断する鉄道は国営として存続し、一部の鉄道が落札された際にその会社からの購入拒否があったため、すべてがフェロスールに継承されることはありませんでした。継承されなかった鉄道は、別の企業が設立され、その路線を必要とする鉱山会社などが支えていく形となりました。

入札に際しては、メキシコ第2位の建設会社であるトリバサ・グループが中心となり、28億9,800万ペソ（約460億円）の資金をもって落札しました。この資金の55％はトリバサ・グループが負担し、40％がメキシコの金融グループであるインブルサ・グループ、残りの5％がアメリカの鉄道会社オムニトラックスによって負担されました。

フェロメックスとの関係

2005年3月、メキシコの大手鉱山企業グルポ・メヒコが鉄道・運輸部門の子会社であるITM（Infrastructure y Transportes Mexico）を通じて、フェロスールの権益を100％取得しました。この時、フェロスールはITMの完全子会社として位置づけられました。また、メキシコ最大の鉄道運営会社であるフェロメックスもITMの子会社であり、74％の株式を保持しています。このため、フェロスールとフェロメックスは、メキシコにおける鉄道業界で共に大きな影響を及ぼす存在となっています。

フェロメックスは2006年にフェロスールとの統合を模索する動きを見せましたが、メキシコ政府はこれが独占的状況を生むとして、警戒心を示しました。このため、フェロスールとフェロメックスの関係は一つの事業体に統合されることなく、複雑な競争関係を形成しています。

まとめ

フェロスールは、メキシコの鉄道運営において重要な役割を果たす会社であり、民営化による変革の一端を担っています。今後もメキシコの鉄道インフラにおいて中心的な役割を果たし、国の経済や資源開発に貢献し続けることでしょう。

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