フェンダー・ツインリヴァーブ

フェンダー・ツインリヴァーブ：半世紀以上に渡る歴史と進化

フェンダー・ツインリヴァーブは、フェンダー社が製造する真空管式ギターアンプの定番モデルです。2つの12インチスピーカーを搭載し、クリーンなサウンドと豊かなリバーブ効果で多くのギタリストから愛されています。その歴史は長く、幾多のモデルチェンジを経て現在に至ります。本稿では、各時代のツインリヴァーブの特徴を詳細に解説します。

ブラックフェイス時代 (1963年-1967年)

1963年から1967年にかけて製造されたブラックフェイスモデルは、黒色のフロントパネルに白の筆記体で「Twin Reverb-Amp」と表記された、特徴的なデザインが印象的です。出力は85Wで、AB763回路を採用していました。ジェンセンC12N、オックスフォード12T6、JBL D-120Fなど様々なスピーカーが搭載されています。

シルバーフェイス時代 (1968年-1982年)

1968年、フロントパネルが黒からシルバーに変更され、アンプ名は青字のブロック体となりました。これがシルバーフェイス時代の始まりです。クロスもシルバーからスパークリングブルーに変更されました。初期のシルバーフェイスモデルは、AB763回路を引き続き使用していましたが、同年よりAC568回路も採用されるようになりました。

1970年代初頭までは、グリルの周囲をアルミフレームでカバーしていましたが、1971年頃からは「Twin Reverb-Amp」から「-Amp」が削除され、「Twin Reverb」と表記されるようになります。1970年代中頃には、グリルがスパークリングシルバー/オレンジに変更されました。また、出力管の電圧上昇に伴い、出力は100Wに増加し、プッシュプルブースタースイッチ付きのマスターボリュームが標準装備となりました。1977年から1982年にかけては、出力部回路の変更により、さらに出力が135Wに向上しました。

ツインリヴァーブII (1983年-1986年)

1983年には、出力105WのツインリヴァーブIIが登場しました。回路は変更されましたが、外観はブラックフェイス時代を彷彿とさせるデザインとなりました。このモデルは1986年まで製造されました。

レッドノブツイン (1987年-1994年)

ツインリヴァーブIIの後継モデルとして、1987年にレッドノブツインが登場しました。25Wと100Wの2つの出力切り替えスイッチを備えており、外観からも「レッドノブツイン」として知られています。1994年まで製造されました。

'65リイシュー (1992年-)

1992年には、ブラックフェイス時代の外観を再現した'65リイシューモデルが発表されました。85W出力、ジェンセンC12K（またはエミネンス製）スピーカーを搭載し、ヴィンテージモデルを彷彿とさせるサウンドを実現しています。ただし、プリント基板の使用やフットスイッチジャックの変更など、内部構造には現代的な要素が取り入れられています。

スピーカー

ツインリヴァーブで使用されているスピーカーは多岐に渡り、ジェンセンC12N、オックスフォード12T6、JBL D-120F、ユタ、CTS、エミネンスなど、様々なメーカーのスピーカーが採用されてきました。

まとめ

フェンダー・ツインリヴァーブは、長年に渡り多くのギタリストに愛され続ける名機です。その歴史の中で、様々なモデルチェンジが行われ、常に進化を遂げてきました。各モデルはそれぞれ異なる特徴を持つため、プレイヤーのニーズや好みに合わせて選ぶことができます。本稿が、フェンダー・ツインリヴァーブの歴史と魅力を理解する上で役立つことを願っています。

参考文献

デイヴ・ハンター『真空管ギター・アンプ実用バイブル　ベスト・サウンドを手に入れるために　歴史と仕組み、選び方と作り方』（DU BOOKS、2014年）ISBN 978-4-925064-73-6

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