フォア・スティックス

「フォア・スティックス」(Four Sticks)は、レッド・ツェッペリンが1971年に発表したアルバム『レッド・ツェッペリン IV』のB面2曲目に収録された楽曲です。ジミー・ペイジとロバート・プラントによって作詞作曲されました。曲名の由来は、ドラマーのジョン・ボーナムが、その激しいビートを叩き出すために、両手に2本ずつ、計4本のドラムスティックを使用したことにあります。

楽曲の特徴

この曲は、変拍子を多用したギターリフと、ボーナムによるパワフルなドラミングが特徴的なハードロックナンバーです。西洋音楽とは異なるエキゾチックな雰囲気を持っており、レッド・ツェッペリンの楽曲の中でも異彩を放っています。ペイジのギターリフは複雑で、プラントのヴォーカルも力強く、全体として独特の世界観を構築しています。

制作の背景

ペイジとプラントは1972年のオーストラリア公演からの帰りにインドに立ち寄り、ボンベイ・シンフォニー・オーケストラと実験的なセルフカバーを録音しました。このセルフカバーは、原曲の持つエキゾチックな要素をさらに強調したアレンジとなっています。

ライブでの演奏

「フォア・スティックス」は、レッド・ツェッペリンのライブでは、1971年5月3日のコペンハーゲン公演と5月4日のFyns Forum公演の2回のみ演奏されました。その複雑な構成から、ライブでの再現が難しい曲として知られています。しかし、ジミー・ペイジはこの曲を非常に気に入っており、レッド・ツェッペリン解散後、ペイジ&プラントのステージで再び披露されました。その際のライブ音源は、ライブ・アルバム『ノー・クォーター』（1994年）に収録されています。

評価と影響

「フォア・スティックス」は、その独特な音楽性から、レッド・ツェッペリンのファンの中でも評価が分かれる楽曲です。しかし、変拍子や民族音楽の要素を取り入れた実験的な試みは、後の音楽シーンに大きな影響を与えました。レッド・ツェッペリンの音楽性の幅広さを示す重要な一曲と言えるでしょう。

参考文献：
『レッド・ツェッペリン全曲解説』デイヴ・ルイス著　福田美環子訳　シンコー・ミュージック刊

もう一度検索