フォルクスワーゲン・ID.4

フォルクスワーゲンID.4：革新的な電気自動車SUV

フォルクスワーゲンID.4は、同社が製造・販売する、世界市場をターゲットにした電気自動車（EV）です。2020年に欧州で発売開始されたこのSUVは、EV専用プラットフォーム「MEB」を採用し、航続距離の延長と室内空間の拡大を両立しています。Cセグメントに属するID.4は、フォルクスワーゲン初のフル電動SUVとして、EV市場において大きな注目を集めています。

MEBプラットフォームによる先進性

ID.4の心臓部と言えるのが、EV専用プラットフォーム「MEB」です。このアーキテクチャーは、大容量バッテリーを車体床下に配置することで、低重心化と前後重量バランスの最適化を実現しています。これにより、優れた走行安定性と快適な乗り心地が両立されています。バッテリー容量は52kWhと77kWhの2種類が用意され、モーター出力もそれぞれ異なります。52kWhバッテリー搭載モデルは170PS、77kWh搭載モデルは204PSの出力を発揮し、航続距離はWLTCモードでそれぞれ388kmと561km（2023年以降のモデルでは航続距離が延伸されています）を達成しています。さらに、安全性にも配慮されており、バッテリーは堅牢なアルミニウムハウジングで保護され、事故発生時には電源が自動的に遮断される安全機構が備わっています。駆動方式は後輪駆動（RWD）と四輪駆動（4WD）が選択可能です。

洗練されたデザインと快適な室内空間

ID.4のエクステリアは、空力性能を追求した流麗なデザインが特徴です。大型ルーフスポイラーや立体的なテールライト、ディフューザーなど、細部にわたる工夫により、Cd値0.28という優れた空気抵抗係数を達成しています。全車LEDライトを採用し、上級グレードにはマトリックスLEDヘッドライト「IQ.LIGHT」も選択可能です。インテリアは、モダンでミニマルなデザインが採用されており、従来のシフトノブに代わるドライブモードセレクターや、大型センターディスプレイなどが装備されています。直感的に操作できるID.ライトシステムは、運転状況や充電状態などをドライバーに分かりやすく伝えます。アルミ調ペダルクラスターは、電気自動車ならではの遊び心を演出しています。

充実の安全装備と運転支援システム

ID.4には、フォルクスワーゲン車の伝統である高水準の安全装備が充実しています。レーンキープアシストシステム「Lane Assist」、プリクラッシュブレーキシステム「Front Assist」、レーンチェンジアシストシステム「Side Assist」、緊急時停車支援システム「Emergency Assist」など、数多くの運転支援システムが標準装備されています。これにより、ドライバーは安心して運転に集中することができます。

日本市場での展開

日本市場では、2022年11月にID.4の発売が開始されました。導入記念として、「ID.4 Lite Launch Edition」と「ID.4 Pro Launch Edition」が発売され、充電サービスや充電器設置費用サポート、残価設定ローンといった特典が提供されました。その後、標準グレードの販売も開始され、2023年モデルでは航続距離が延伸されるとともに、価格が改定されています。

世界戦略車としてのID.4

ID.4は、ドイツ、中国、アメリカなど世界各国で生産され、グローバルに販売される世界戦略車です。2021年には「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、その高い評価は世界中で認められています。環境性能にも配慮したID.4は、EV市場におけるフォルクスワーゲンの強い意志を示す一台と言えるでしょう。

まとめ

フォルクスワーゲンID.4は、先進的な技術と洗練されたデザイン、そして高い安全性と快適性を兼ね備えた、魅力的な電気自動車SUVです。航続距離の延伸や、充実した運転支援システム、そして世界戦略車としての地位は、今後のEV市場においてもID.4の存在感を示すでしょう。

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