フォルテ (浜松市)

フォルテ（FORTE）

フォルテは、かつて静岡県浜松市中区（現：中央区）旭町に位置していた複合施設です。浜松駅から徒歩1分以内という好立地にあり、バスターミナルにも面していました。この施設は、浜松市と遠州鉄道が共同出資して設立した第三セクター、浜松都市開発株式会社によって運営されていました。

構造

フォルテの敷地は、東海道本線の浜松駅周辺連続立体交差化事業に伴い、旧線路部分を約33億円で買収した土地に建設されました。建物自体の建設費は約82億円にのぼります。

施設は主に2つの棟で構成されていました。

アトリウム棟：
前面がガラス張りとなった開放的なアトリウム構造で、市民向けの「フォルテガーデン」として親しまれていました。また、浜松市の市民サービスセンターや駅前交番など、公共的な施設も入居していました。地下2階には、810名を収容可能なロックコンサート向けホールがありました。

オフィス棟：
施設西側には、地上12階建て（高さ約45m）のオフィスビルがそびえ立っていました。

再開発計画

フォルテは、浜松市と遠州鉄道が共同出資する第三セクター方式で運営されていましたが、大家である市や遠州鉄道関連団体が入居テナントの多くを占めており、賃料収入の約6割を浜松市が占めていました。2008年には、市行財政改革推進審議会から「銀座並みの家賃で赤字を補填している」と指摘され、収益性に疑問が呈されました。

さらに、特殊なガラス張りの構造が原因で、将来的に耐震補強工事に多額の費用がかかることが判明しました。これらの問題を解決するため、浜松市はフォルテの持ち分を遠州鉄道に売却し、浜松都市開発株式会社は清算されました。

その後、遠州鉄道はフォルテ（アトリウム棟、オフィス棟とも）を解体し、跡地に遠鉄百貨店新館を建設しました。新館は2011年11月9日にオープンしています。旧フォルテホール（名称を「えんてつホール」に変更）や駅前交番の機能は、新施設にも引き継がれています。

歴史

1990年（平成2年）11月：オープン。以前は国鉄の線路が広がっていましたが、高架工事の完了により撤去されました。
2008年（平成20年）12月：解体・撤去

入居していた主なテナント

アトリウム棟

フォルテホール
浜松市中央図書館駅前分室（一時的に近隣のビルに移転後、遠鉄百貨店新館に再移転）
浜松市情報プラザ
木下惠介記念館
浜松国際交流協会
浜松市駅前市民サービスセンター（一時的にバスターミナル地下に移転後、遠鉄百貨店新館に再移転）
浜松中央警察署浜松駅前交番（上記のサービスセンター同様、バスターミナル地下を経て、遠鉄百貨店新館に移転）
京都きもの友禅（呉服）

オフィス棟

遠州鉄道
遠鉄百貨店（オフィス棟上層階に本社オフィス、アトリウム棟1階にCOACH浜松遠鉄店が入居）
* 静岡朝日テレビ浜松支社（現在はイーステージ浜松に移転）

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