フォンテーヌブロー条約 (1762年)

フォンテーヌブロー条約とは

フォンテーヌブロー条約（Traité de Fontainebleau）は、1762年11月13日にフランス王国とスペイン王国の間で締結された秘密条約です。この条約により、フランスは「ルイジアナ」として知られる地域をスペインに割譲しました。

背景

この条約は、フレンチ・インディアン戦争の影響を受けて結ばれました。同戦争の最後の戦闘は1762年9月のシグナルヒルの戦いであり、この戦いをもってイギリスがカナダを支配することが決定的となりました。一方、フランスはすでにカナダを失っており、その王ルイ15世はスペインのカルロス3世に対し、フランスのルイジアナやヌーベル＝オルレアン地域を譲渡する提案をしました。カルロス3世はこの提案を受け入れ、条約が締結されることとなりました。

条約の内容

フォンテーヌブロー条約では、「ルイジアナ」全体がスペインに譲渡されました。具体的には、ミシシッピ川流域全域が含まれ、アパラチア山脈からロッキー山脈までを網羅する広大な地域です。この条約は、フランスとイギリス間の講和交渉中であり、パリ条約が締結される際も公開されることはありませんでした。

パリ条約では、フランスが持っていたルイジアナの領土はミシシッピ川を境に二分され、東側はイギリスのものとなりましたが、西側とヌーベル＝オルレアンはフランスの領土として残されました。スペインはすでに譲渡された西側について知っていたため、イギリスの東側の主張に異議を唱えませんでした。また、同時期にスペインはフロリダもイギリスに譲渡しており、それが西ルイジアナの補償とも考えられていました。

パリ条約では、フランス出身の植民者がイギリスの支配下に入ることを避けたい場合、フランス植民地への移住が許可されることが定められました。多くの植民者がルイジアナへの移住を選びましたが、彼らはこの時点でルイジアナがスペインに割譲されることを知らなかったのです。

公表とその後の影響

ルイジアナの譲渡は1764年に公表され、ルイ15世はフランス領ルイジアナ総督であるジャン＝ジャック・ブレーズ・ダバディーに手紙でその内容を知らせました。しかし、西ルイジアナの植民者たちはこの譲渡を受け入れず、1768年にはルイジアナで反乱を起こし、スペインから派遣された総督を追い返しました。この反乱はアイルランド出身のアレハンドロ・オレイリーによって鎮圧され、1769年にはスペインの統治が正式に始まります。

この条約によって、スペイン帝国は北米における領土を一体化させました。その後、アメリカ合衆国がアメリカ独立戦争に勝利した結果、1783年のパリ条約でフロリダがスペインに返還され、これによりメキシコ湾沿岸全域がスペインの領土になりました。さらに西へは太平洋岸まで、北はミシシッピ川西岸においてカナダとの境界に至る広範な領域が形成されることとなりました。

結論

フォンテーヌブロー条約は、フランスとスペインの歴史における重要な出来事であり、北米の地図を大きく変える契機となったのです。この条約による領土の割譲は、後のアメリカ合衆国の発展にも影響を与えました。

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