フサイチペガサス

フサイチペガサスについて



フサイチペガサス(Fusaichi Pegasus)は、1997年4月12日にアメリカで誕生した競走馬であり、後に種牡馬としても名を馳せました。2023年5月23日に亡くなるまで、その人生は多くの競馬ファンに愛され続けました。

来歴



フサイチペガサスは、1998年ケンタッキー州の「キーンランド・ジュライセール」で関口房朗によって400万ドルで購入されました。この価格は、その年に取引された同世代馬の中で最も高額でした。彼は1999年に、アメリカの調教師ニール・ドライスデールのもとで競走生活をスタートさせました。デビュー戦では2着に終わりましたが、2000年の初戦で初勝利を記録しました。この勝利を契機に彼は連勝街道を突き進み、G2レースや前哨戦を次々に制しました。

特に、2000年5月6日に行われたケンタッキーダービーでは、1番人気に支持され、歴史的な勝利を収めました。この勝利により、関口房朗はアジア人として初のケンタッキーダービー勝利を手にすることとなりました。しかし、その後のプリークネスステークスでは2着に敗れ、さらにベルモントステークスの出走も怪我のために断念することになりました。

フサイチペガサスはその後も復帰を目指しましたが、相次ぐ故障や体調不良に苦しみ、最終的には引退となりました。彼の引退後の種牡馬権利はアイルランドのクールモアスタッドに、当時の最高額である6000万から7000万ドルで売却されました。

牡馬としての成功



引退後、フサイチペガサスはケンタッキー州のアッシュフォードスタッドで種牡馬として供用されました。また、オーストラリアでもシャトル種牡馬として活動し、多くの産駒を輩出しました。初年度産駒からはバンディニやローマンルーラーなどの優秀な競走馬が誕生し、後の世代でも多くの成功を収めることとなります。

特にローマンルーラーは、ベルモントステークスを制する馬を出すなど、その血脈を次世代へと繋げる役割を果たしました。また、彼の産駒は日本にも輸入され、数多くの重賞レースで活躍を見せました。

日本での産駒であるフィフティーワナーは、アンタレスステークスを制し、フサイチペガサスの日本での成功を象徴する存在となりました。フサイチペガサス自身は、2020年に種牡馬としての活動を終了し、2023年には老衰による体調悪化のため安楽死処分が行われました。

特異なエピソード



その名を知らしめたケンタッキーダービーでは、実況担当のアナウンサーが「Fusaichi」という言葉の発音に苦労し、特に「フサイチ」の部分で発音レッスンを行うも、実況中にその正しい発音ができずに「フ〜サ〜イ〜チ〜」といった形で実況せざるを得なかったというエピソードが残っています。これは、フサイチペガサスの名をより多くの人々に知らしめる結果となりました。

フサイチペガサスの馬生は、数々の栄光と挫折、そしてその後の成功を通じて、競馬界に多大な影響を与えました。

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