フットルース (曲)

「フットルース」（Footloose）は、1980年代を代表するアメリカのシンガーソングライター、ケニー・ロギンスによって1984年に発表されたポップソングである。この楽曲は、同年公開されたパラマウント映画製作の青春映画『フットルース』の主題歌として書き下ろされ、映画の開放的な雰囲気とエネルギーを象徴する一曲となった。

リリースされるやいなや、そのキャッチーなメロディーと映画との相乗効果により、瞬く間にヒットチャートを駆け上がった。特にアメリカ合衆国では、権威あるBillboard Hot 100チャートにおいて、3週間にわたり首位の座を維持する快挙を達成。1984年の年間チャートでもトップ5にランクインするなど、その年の音楽シーンにおける重要楽曲としての地位を確立した。日本においても、オリコンの洋楽シングルチャートで1984年5月21日付から4週連続で1位を記録するなど、国境を越えて広く受け入れられた。

「フットルース」は単なる商業的成功に留まらず、映画主題歌としても高く評価されている。アメリカン・フィルム・インスティチュート（AFI）が選定した『アメリカ映画主題歌ベスト100』では、96位にランキングされ、映画音楽史における一定の評価を得ていることが示されている。このリストには数多くの名曲が名を連ねており、その中で96位に位置付けられたことは、「フットルース」が映画のメッセージを伝える上で重要な役割を果たしたことを物語っている。

楽曲「フットルース」はその人気ゆえに、様々なアーティストによってカバーされている。風変わりなパロディで知られるアル・ヤンコビックや、キリスト教系のキッズポップグループpureNRG、さらにディスコミックスを得意とするJive Bunny and the Mastermixersなどが、独自の解釈でこの曲を再演した。

特に注目すべきカバーとしては、2011年に製作された映画『フットルース 夢に向かって』のサウンドトラックに収録されたブレイク・シェルトンによるバージョンが挙げられる。カントリーミュージック界で活躍するシェルトンは、この曲を自身のスタイルに合わせてアレンジし、アメリカのBillboard ホット・カントリー・ソングチャートで57位にランクインさせるなど、新たな世代にも楽曲を紹介する役割を果たした。このカバーバージョンは、ショーン・シルヴィアが監督した公式ミュージック・ビデオも制作され、公開された。

また、この楽曲は映画や音楽チャート以外にも、様々なメディアで使用されてきた。日本では、大手ファストフードチェーンである日本マクドナルドが、期間限定で発売したハンバーガーシリーズ「BigAmerica」のテレビCMにおいてBGMとして採用したことがある。このように、「フットルース」は発表から数十年を経てもなお、そのエネルギー溢れるサウンドが多くの人々に記憶され、活用され続けている。

ケニー・ロギンスによる「フットルース」は、1980年代を象徴するポップアンセムとして、また映画史に残る主題歌として、今なお多くの人々に愛され続けている。その軽快なリズムとポジティブなメッセージは、時代を超えて聴く者を惹きつけ、ダンスへの衝動を掻き立てる力を持っている。

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