フマキラー囲碁マスターズカップ

フマキラー囲碁マスターズカップ

フマキラー囲碁マスターズカップは、2011年から2019年まで開催されていた日本の囲碁棋戦です。50歳以上のベテラン棋士、具体的には現役の七大タイトルホルダーや、過去に七大タイトルを獲得した経験を持つ棋士を中心に争われました。優勝賞金は500万円、準優勝は150万円でした。

概要

主催は日本棋院、協賛はフマキラー株式会社が行っていました。初期にはエステー株式会社も協賛しており、「エステー&フマキラー囲碁マスターズカップ」という名称でした。

参加資格は、当初50歳以上の現役七大タイトル保持者・経験者に限られていましたが、第2回からは、七大タイトル経験者及び現役タイトル者が16人に満たない場合、50歳以上の現役賞金ランキング上位者が予選に参加するようになりました。さらに第4回からは、前期の優勝者と準優勝者は、七大タイトル保持・経験がなくても本戦に出場できるようになりました。

ルール

対局はノックアウトトーナメント方式で行われ、コミは6目半。持ち時間は1人2時間で、残り5分から秒読みとなります。

棋戦の終了

2019年の第9回をもって、フマキラー囲碁マスターズカップは終了しました。日本棋院理事長の小林覚は、棋戦終了の理由として、依田紀基九段によるSNSでの日本棋院執行部批判が大会の名誉を傷つけたと述べています。報道によれば、フマキラー側も依田の発言によって大会のイメージが損なわれたと受け止めたとされています。また、棋院と依田の間で看過できない問題が生じたことも、継続が不可能になった要因と報じられています。

2019年6月29日に予定されていた準決勝の依田紀基 対 小松英樹戦は、依田の不戦敗となりました。

依田はその後、自身のSNSでの行為に誤りがあったことを認め、Twitterとブログを閉鎖しました。記者会見では改めて謝罪したものの、棋戦終了の原因は自身のSNS批判ではないと主張。また、不戦敗は自らの意思ではなく、当時の日本棋院の発表は事実と異なるとしました。さらに、会見で依田は2月に脳梗塞で入院しており、一連の騒動によるストレスで精神的に危機的な状況にあると訴えました。弁護士は、対局停止処分は重すぎるとし、スポンサー撤退の責任を棋士個人に負わせるのも不当だと主張しました。一方、日本棋院は依田の会見について、継続調査中のためコメントを控えるとしています。

翌2020年、日本棋院は依田のSNSでの批判行為が棋士規定に違反するとして、半年間の対局停止処分を下しました。これに対し依田側は法的措置を検討し、東京地方裁判所に処分の中断を求める仮処分を申請。東京地裁の和解勧告により、対局停止処分は一時的に停止されました。

しかし、2022年10月、東京地裁は棋戦終了の原因は依田の言動にあるとする日本棋院の主張を認め、依田の行為は正当化できないと判断。対局停止処分が再開されました。依田は判決を不服として控訴する意向を示しています。

なお、フマキラーは2021年より、代替棋戦としてフマキラー囲碁女流ブレーンズマッチを開催しています。

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