フラボドキシンフォールド

フラボドキシンフォールドは、タンパク質が適切に折りたたまれた際に形成される、特定の三次元構造パターンを示す言葉です。これはタンパク質の「フォールド」として分類される基本的な構造単位の一つであり、ポリペプチド鎖に含まれるαヘリックスとβシートという二種類の主要な二次構造要素の両方を持つことから、α/β型のタンパク質フォールドに位置づけられています。

構造の全体像としては、フラボドキシンフォールドは明確な3層構造を形成しています。この多層構造は、中心に配置されたβシートの層と、そのβシートの両面を覆うように存在する2つの層のαヘリックスによって構成されています。すなわち、βシートがサンドイッチの具材のように中央にあり、その上下あるいは内外をαヘリックスの層がパンのように挟み込む配置を取っています。

このフォールドに含まれるβシートは、5本のβストランドが集まって形成されています。βストランドとは、ポリペプチド鎖の一部が伸びた構造であり、これらのストランドが互いに平行または逆平行に並んでシート状の構造を作ります。フラボドキシンフォールドにおけるβシートは、構成する5本のストランドが全て互いに逆平行な向きで配置されており、この逆平行配置によって安定したシート構造が保たれています。

フラボドキシンフォールドのβシートの構造的な特徴の一つとして、その5本のストランドがポリペプチド鎖の一次配列（アミノ酸の並び順）上でどのような順序で接続されているかを示すストランド接続順序があります。多くのタンパク質フォールドでは、一次配列上で連続しているストランドがβシート内でも隣接して配置されることが多い傾向にありますが、フラボドキシンフォールドの場合、その接続順序は『21345』という特異的なパターンを示します。これは、例えばシートを構成する5本のストランドに一次配列上での出現順に1から5までの番号を付けた場合、βシートの構造の中では2番目のストランド、次に1番目のストランド、続いて3番目、4番目、そして5番目のストランドがこの順で連結していることを意味します。この独特なストランドの並び方が、フラボドキシンフォールドの定義的な構造要素となっています。

また、フラボドキシンフォールドは、同じα/β型に分類される他の有名なタンパク質フォールド、例えばTIMバレルフォールドなどとも、その基本的な構造様式においていくつかの類似点が見られることが指摘されています。これらの構造的特徴の組み合わせが、フラボドキシンフォールドを採用するタンパク質の機能と安定性に関与していると考えられます。

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