フランク・マンキューソ・ジュニア

フランク・マンキューソ・ジュニアは、1958年 10月9日にアメリカ合衆国ニューヨーク州バッファローで誕生した、著名な映画プロデューサーです。

彼は、アメリカ映画界で長いキャリアを誇るプロデューサーとして知られています。彼の父親は、かつてパラマウント映画の社長を務めたフランク・マンキューソ・シニアであり、その家庭環境が彼を映画の世界へと導いたことは想像に難くありません。

マンキューソ・ジュニアのキャリアにおいて、特に言及されるべきはホラー映画の分野での貢献です。彼は、カルト的な人気を誇るスラッシャー映画シリーズ『13日の金曜日』の主要な担い手の一人として広く認識されています。1981年に公開されたシリーズ第2作目となる『13日の金曜日PART2』では、アソシエイト・プロデューサーとして製作に携わりました。続く1982年の『13日の金曜日PART3』ではプロデューサーを務め、3D上映も話題となったこの作品の成功に貢献しました。その後もシリーズへの関与は続き、1984年の『13日の金曜日・完結編』、1985年の『新・13日の金曜日』では製作総指揮を担当しています。さらに、1988年には『13日の金曜日PART7 新しい恐怖』でも製作総指揮を務め、シリーズの方向性に大きな影響を与えました。彼は劇場用映画にとどまらず、1987年から1989年にかけて放送された同シリーズのテレビ版『13日の金曜日』においても製作総指揮を務め、メディアミックス展開にも貢献しました。

『13日の金曜日』シリーズ以外にも、彼は様々なジャンルの作品を手掛けています。1980年代には、ホラー色の強い『アドベンチャー・オブ透明人間』（1983年）、『エイプリル・フール』（1986年）や、コメディの『バック・トゥ・ザ・ビーチ』（1987年）、青春ドラマの『パーマネント・レコード』（1988年）など、多様な作品のプロデュースに携わりました。また、テレビシリーズにおいても、人気SFシリーズのリメイク版である『新・宇宙戦争』（1989-1990年）で製作総指揮を務めています。

1990年代に入ると、彼のプロデュース活動はさらに広がりを見せます。クライムスリラー『背徳の囁き』（1990年）、ロマンティックコメディ『ヒー・セッド、シー・セッド/彼の言い分、彼女の言い分』（1991年）、ホラー『ボディ・パーツ』（1991年）、ファンタジー要素を含むアニメーション・実写合成作品『クールワールド』（1992年）などを手掛けました。

特にこの時期、彼のキャリアにおけるもう一つの重要なシリーズが始まります。バイオSFホラー『スピーシーズ種の起源』を1995年にプロデュースし、その成功を受けて続編の『スピーシーズ2』（1998年）も手掛けました。このシリーズは、彼のSFジャンルにおける代表作の一つとなりました。

その他の90年代後半の作品としては、アクション『F.L.E.D./フレッド』（1996年）、犯罪ドラマ『奴らに深き眠りを』（1997年）、サスペンス『ダーク・エスケープ』（1998年、製作総指揮）、そして著名なアクションスリラー『RONIN』（1999年）、超常現象ホラー『スティグマータ聖痕』（1999年）などがあります。これらの作品群は、彼がホラーやSFだけでなく、アクションやスリラーといったジャンルでもその手腕を発揮したことを示しています。

2000年代以降も彼の活動は継続し、『ベスト・フレンド』（2002年）などをプロデュースしました。『スピーシーズ』シリーズは続き、2004年の『スピーシーズ3 禁断の種』、2007年の『スピーシーズ4 新種覚醒』では製作総指揮としてシリーズに関わり続けました。さらに、『ロストシティ』（2005年）、『永遠の僕たち』（2011年）でも製作総指揮を務めるなど、晩年まで精力的に活動しました。

フランク・マンキューソ・ジュニアは、『13日の金曜日』シリーズというホラー映画史に残るフランチャイズを確立・維持する上で中心的な役割を果たしただけでなく、SF、アクション、スリラー、ドラマなど、幅広いジャンルの映画やテレビシリーズにプロデューサー、あるいは製作総指揮として関与しました。彼の多岐にわたるキャリアは、アメリカの映画・テレビ業界におけるプロデューサーの重要な役割を示しています。彼の作品は、現在も多くの映画ファンに観られ続けています。

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