フランシア広場

フランシア広場：カラカス東部の象徴

フランシア広場（Plaza Francia）は、ベネズエラのミランダ州チャカオ市アルタミラに位置し、首都カラカス東部で最も重要な広場として知られています。元々はアルタミラ広場として建設され、現在でもその名で呼ばれることがあります。

広場の構造：南北に広がる空間

広場は、カラカス東部の主要道路であるフランシスコ・デ・ミランダ通りに面し、その南北に広がっています。北側が広く、カラカス盆地の地形を活かした緩やかな傾斜があります。地下にはアルタミラ駅があり、広場から階段でアクセス可能です。

広場の中心は、高さ24メートルのオベリスコです。1945年の建設当時は、カラカスで最も高い建造物であり、周囲の住宅地の中でも際立つ存在でした。現在では高層ビルに囲まれ、広場のシンボルとして存在感を示しています。オベリスコの正面には南北に長いプールがあり、水が地下鉄駅入口で滝のように流れ落ちる設計となっています。広場内には多くの花壇が設けられ、美しい景観を作り出しています。

南側の広場は北側と比べて装飾が少なく、開放的な空間が広がっています。一角には、幼子を抱く黄金色の聖母マリア像が安置されています。

歴史：高級住宅地の中心として

広場が建設される以前、この場所はカラカス盆地の東部に広がる農村地帯の一部でした。1943年、ルイス・ロチェが農場を買収し、郊外住宅地の開発に着手しました。ロチェは1944年にアルタミラ会社を設立し、宅地開発と分譲を開始。高級住宅地を目指し、1945年に地区の中心となる広場を建設し、噴水や巨大なオベリスコを設置しました。カラカス大聖堂よりも高いオベリスコは大きな宣伝効果を発揮し、記念式典には多くの人々が集まりました。

ロチェの計画通り、アルタミラ地区は発展し、カラカス有数の高級住宅地となりました。その後、広場の名前はフランシア広場と改称されました。1970年代以降、カラカス盆地の東部は市街化が進み、アルタミラ地区は首都東部の中心地へと変貌を遂げました。現在、広場の周辺にはホテルや各国大使館が集まり、カラカスの首都機能の一部を担っています。

近年の出来事：政治的な舞台として

2002年、ウゴ・チャベス政権に対する動きが活発化した際、左遷された将官たちがフランシア広場に集結し、「合法的不服従」を呼びかけました。広場には、大統領に反対する人々や一部の兵士が集まり、周辺の道路を埋め尽くしました。しかし、軍が動かなかったため、このデモは次第に収束しました。

フランシア広場は、その美しい景観と歴史的な背景から、カラカス市民にとって重要な場所であり続けています。

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