フランスギク属

フランスギク属（学名：Leucanthemum）は、キク科に属する植物のグループです。この属には、約70種もの植物が含まれており、ヨーロッパ、北アフリカ、そしてアジアの温帯地域に広く分布しています。日本では、特にフランスギク（Leucanthemum vulgare）が帰化植物として、道端などでその姿を見ることができます。

特徴

フランスギク属の植物は、一年草または多年草として生育しますが、耐寒性を持つ一方で、高温多湿な環境には弱いという特徴があります。草丈は20cmから1m程度で、葉は互い違いに生え、縁に鋸歯があったり、羽状に切れ込みが入ったりします。花は、茎の先端に単独で咲くものと、円錐状の花序を形成し、小さな花を多数つけるものがあります。

属名の「Leucanthemum」は、かつてフランスギクが「Chrysanthemum leucanthemum」と呼ばれていた時代の種小名を「格上げ」したものです。これは、「白い花」という意味を持ち、フランスギクの基本的な花の色を表しています。しかし、園芸種では、黄色やピンクなど、さまざまな色の花を楽しむことができます。

栽培種

一般的に「ox-eye daisy」と呼ばれるフランスギクは、暑さに弱いため日本ではあまり栽培されていません。しかし、フランスギクを改良したマーガレットは、伊豆半島を中心に温室栽培が盛んで、切り花として広く出荷されています。また、カンシロギク（クリサンセマム・パルドーサム L. paludosum）や、交配種であるシャスタ・デイジー（L. x superbum）は、家庭用の花壇用草花として人気があります。

その他

北海道では、フランスギクが指定外来種として規制の対象となっています。これは、フランスギクが自然環境に与える影響を考慮した措置であり、生態系保護の観点から重要な取り組みと言えるでしょう。

このように、フランスギク属は、多様な種類と美しい花を持つ植物であり、園芸植物としても、野生植物としても、私たちの生活に身近な存在です。

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