フランス学士院

フランス学士院について

フランス学士院（Institut de France）は、フランスにおける国立アカデミーのひとつで、さまざまな分野の専門家が集まり、知識や文化の発展に寄与しています。学士院は、アカデミー・フランセーズを中心に、4つの他のアカデミーから構成されており、それぞれ異なる分野の研究や支援を行っています。

構成されるアカデミー

フランス学士院は以下のアカデミーで構成されています。
1. アカデミー・フランセーズ：フランス語の基本を策定し、辞書の編纂を行う。
2. フランス文学院（Académie des Inscriptions et Belles-Lettres）：古代の碑文や文学に関する研究を行う。
3. フランス科学院：科学技術の進展を促進するための研究と発表を行う。
4. フランス芸術院：絵画、彫刻、音楽、建築などの芸術を統括し、支援する機関。

このように、フランス学士院は学問と芸術の発展を目的とした多様なアカデミーが存在します。

歴史的背景

フランス学士院の前身は、17世紀に設立されたフランス王立アカデミーです。これらのアカデミーは、絶対王政のもと、それぞれ独自に設けられ、フランスの文化を高めるために重要な役割を果たしました。特に、アカデミー・フランセーズは1635年に設立され、フランス語の基礎を築くための取り組みを開始しました。

他に、1663年に設立された科学アカデミーや、1666年に設立された王立絵画彫刻アカデミー、1669年設立の音楽アカデミーなど、各分野の専門家が集まり、それぞれの研究を行っていました。

しかし、フランス革命により、王立アカデミーは一時廃止されました。その後、革命暦IV年（1795年）の法令により、「科学・芸術国立学士院」として再編成されたのです。この新しい学士院は、3つのクラスに分かれました。すなわち、物理と数学、モラルと政治、文学と美術のクラスです。

発展と再編

ナポレオン時代において、モラルと政治の科学クラスは批判の対象となり、1803年に閉鎖され、アカデミー・フランセーズや碑文アカデミーに組織が分かれました。1805年にはパリ・マザラン地区に移転し、1806年にはフランス学士院に改名されました。1810年時点で、数学、物理、フランス語、フランス文学、古代史、美術といった分野が整備されていました。

また、ナポレオンによって閉じられたモラルと政治の科学クラスは1832年に復活し、現在に至っております。

その他の情報

フランス学士院は、「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」を所蔵していることでも知られています。この重要な文献は、フランスの歴史や文化に対する貴重な資料となっています。学士院が文化遺産の保護と研究を行い、多くの人々にその知識を広める役割を果たしていることは注目に値します。
このように、フランス学士院はフランス文化の中心として、歴史を持ち、今日まで多様な分野の発展に貢献しています。

もう一度検索