フランソワ・グリマルディ

フランソワ・グリマルディ（生年不詳 - 1309年）は、中世のジェノヴァ共和国に名を連ねるグリマルディ家の出身であり、ゲルフ（教皇派）に属していました。彼は、現在のモナコ公国を統治するグリマルディ家の始祖として、歴史にその名を刻んでいます。

生涯

1297年1月8日、フランソワ・グリマルディは歴史的な行動に出ます。彼はフランシスコ会修道士の姿に身をやつし、当時ギベリン（皇帝派）の勢力下にあったモナコの要塞へと潜入しました。そして、見事に要塞を占拠し、これが現在のモナコ公国の起源となりました。しかしながら、フランソワ自身がモナコの統治者となったわけではありませんでした。

彼はわずか4年後にはジェノヴァ軍によってモナコから追放され、その後、モナコを巡るジェノヴァとの争いは、グリマルディ家によって代々引き継がれることになります。グリマルディ家がモナコにおける支配体制を確立するのは、1419年のことでした。

フランソワはジェノヴァ出身であるため、彼の名はフランス語読みであり、実際にはフランチェスコ（Francesco）と呼ばれていたと考えられています。

1295年、フランソワはアウレリア・デル・カレットと結婚しましたが、残念ながら子宝には恵まれませんでした。1309年にフランソワが亡くなると、彼の従兄弟であり、妻の連れ子でもあったカーニュ侯レーニエ1世が後を継ぎました。レーニエ1世の子孫は、現在のアルベール2世へと繋がり、モナコ公家としてその血脈を現在にまで伝えています。

フランソワは、現在のモナコ公家の直系の先祖ではありません。また、モナコの支配を確立した人物でもありませんが、グリマルディ家の一員として初めてモナコの支配を試みた人物として、今日のような名声を得るに至ったのです。

関連項目

* モナコ統治者の一覧

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