フランソワ＝ミシェル・ル・テリエ

ルーヴォワ侯爵フランソワ＝ミシェル・ル・テリエ

ルーヴォワ侯爵フランソワ＝ミシェル・ル・テリエ（1641年1月18日 - 1691年7月16日）は、17世紀のフランスにおける重要な政治家のひとりです。彼は、父であるミシェル・ル・テリエに続いて、ルイ14世の陸軍大臣としての職務を果たしました。特に彼は陸軍の再編成に寄与し、その業績はフランス軍の近代化に繋がりました。

親の影響と官僚としての出発

フランソワは、本来法服貴族として生まれましたが、若い頃から父の影響を受けて官僚の道を歩み始めました。フランソワは陸軍の行政を担当し、父の辞任後、1666年に陸軍大臣に就任します。この地位において、彼はルイ14世の信任を受け、国の軍事政策を形作る役割を担いました。

陸軍の改革

フランソワの陸軍大臣としての最も重要な貢献は、常備軍を編成するシステムの確立でした。彼は、貴族が兵士を募集・雇用していた従来の請負組織を廃止し、国家の手で兵士を管理する新たな体制を築きました。実際には、中小貴族からの有能な人材を登用し、士官制度を整えることで、国王が任命する形を取りました。これにより、軍の指揮系統が明確になり、兵士の昇進も経験に基づく制度に移行しました。

志願制から徴兵制への移行

また、彼は志願制の導入を行い、後に徴兵制へと変更することで、軍の人員を増強し、国王直属の強固な軍事力を確立しました。さらに、彼は1670年に制服と軍紀を確立し、1671年には負傷した兵士のための療養施設であるオテル・デ・ザンヴァリッドを設立しました。これにより兵士の規律や質の向上を図り、後方支援の体制も整えました。

軍事力の強化と評価

ルーヴォワ侯爵の功績により、フランスの軍事力は大いに強化され、ルイ14世の軍隊は多くの国から「世界一」と評価されるまでになりました。1687年には当時最も先進的な武器である銃剣を採用し、さらなる軍事の発展を推進しました。

政治的な評価と最期

しかし、フランソワは政治的には保守的な立場を取り続け、ユグノー弾圧に関連するナントの勅令の廃止を早くから推奨したため、国民の中には彼を嫌う者もいました。結果的に彼は国王の信任を失うこととなり、失意のうちに1691年に50歳で亡くなります。陸軍大臣の地位は、彼の息子であるルイ・フランソワ・マリー・ル・テリエが引き継ぎました。彼の業績は、フランス軍の発展において不朽のものとして評価されています。

もう一度検索