フランツ・ブリュッヒャー

フランツ・ブリュッヒャー：西ドイツ復興に尽力した政治家

フランツ・ブリュッヒャー（Franz Blücher、1896年3月24日 - 1959年3月26日）は、ドイツ（西ドイツ）の政治家であり、自由民主党（FDP）などで活躍しました。コンラート・アデナウアー内閣において、マーシャル・プラン担当相兼副首相、経済協力相兼副首相を歴任し、戦後の西ドイツの復興に大きく貢献しました。

生涯

エッセンでカトリック教徒として生まれたブリュッヒャーは、第一次世界大戦に従軍後、大学で歴史学と国家学を学びましたが中退。その後は産業界で実務経験を積み、住宅賃貸業や銀行で要職を務めました。ヴァイマル共和政時代からナチス・ドイツ時代にかけては、特定の政党に属さず、政治とは一定の距離を置いていました。

戦後、自由民主党（FDP）の共同設立者となり、政界に進出。ノルトライン＝ヴェストファーレン州議会議員や財務大臣、バイゾーン経済委員会委員などを歴任し、着実に政治家としてのキャリアを積み重ねていきました。

1949年、第一回ドイツ連邦議会選挙で当選し、連邦議会議員となります。同年、アデナウアー内閣にマーシャル・プラン担当相兼副首相として入閣。以降、経済協力相兼副首相も務め、西ドイツの経済復興に尽力しました。FDP代表としても党をまとめ、党内の対立を調停する役割を果たしました。

ブリュッヒャーは、自由主義インターナショナルのドイツ代表も務め、国際的な舞台でも活躍しました。1953年には、イギリス女王エリザベス2世の戴冠式に西ドイツ代表として参列しています。

1956年、ノルトライン＝ヴェストファーレン州のFDPがドイツキリスト教民主同盟（CDU）との連立を解消し、ドイツ社会民主党（SPD）と連立したことに抗議して離党。自由国民党（FVP）を結党しますが、1957年にはドイツ党（DP）と合同し、自身もドイツ党に入党しました。同年の総選挙を最後に大臣職を離れ、1958年からは欧州石炭鉄鋼共同体の委員を務めましたが、翌年バート・ゴーデスベルクで亡くなりました。

功績

ブリュッヒャーは、戦後の西ドイツにおいて、マーシャル・プランを活用した経済復興を主導し、西ドイツの経済成長の礎を築きました。また、FDP代表として党内をまとめ、安定した政治運営に貢献しました。さらに、自由主義インターナショナルのドイツ代表として、国際社会における西ドイツの地位向上に尽力しました。

その功績を称え、ベルリン自由大学やパンジャブ大学から名誉博士号が贈られたほか、ドイツ連邦共和国功労勲章大十字章、ギリシャ王国ゲオルク1世勲章、イタリア共和国功労勲章大十字章など、数々の勲章を受章しています。

著書

Bundesregierung und Parlament, Bad Harzburg, 1955.

外部リンク

フリードリヒ・ナウマン財団経歴紹介（ドイツ語）

フランツ・ブリュッヒャーは、戦後の西ドイツの復興に貢献した偉大な政治家として、その名が記憶されるでしょう。

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