フリードリヒ・ジギスムント・フォン・プロイセン

フリードリヒ・ジギスムント・フォン・プロイセン：王族、軍人、そして馬術の名手

フリードリヒ・ジギスムント・フォン・プロイセン（Friedrich Sigismund Prinz von Preußen, 1891年12月17日 - 1927年7月6日）は、ドイツ帝国のプロイセン王国の王族であり、軍人、そして卓越した馬術選手として知られています。

生涯

1891年、フリードリヒ・レオポルト王子とルイーゼ・ゾフィー妃の長男として、グリーニッケ城で生を受けました。彼の全名はヨアヒム・ヴィクトル・ヴィルヘルム・レオポルト・フリードリヒ・ジギスムントです。母方の伯母はドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の皇后であったため、彼はヴィルヘルム2世の甥にあたります。

1901年より、王族の慣習に従い、プロイセン第1近衛歩兵連隊に名誉中尉として任官。1908年には正式に中尉に昇進しました。若い頃から飛行機に強い興味を持ち、1911年には自邸であるグリーニッケ城で飛行機を製造させています。

第一次世界大戦が勃発すると、陸軍第2胸甲騎兵連隊に大尉として従軍。その後、1917年には第22偵察飛行大隊に転属となりました。

1916年4月27日、グリーニッケ城にて、シャウムブルク＝リッペ侯子フリードリヒの娘マリー・ルイーゼと結婚しました。マリー・ルイーゼは、デンマーク王フレゼリク8世の孫にあたります。

フリードリヒ・ジギスムントは馬術をこよなく愛し、当時ドイツで最も優れた馬術選手の一人とされていました。妻と共に、グリーニッケ城やメクレンブルク＝フォアポンメルン州に所有する地所において、馬の育成と調教に情熱を注ぎました。

1927年7月6日、スイスのルツェルンで開催された国際馬術競技会に出場した際、障害飛越に失敗し落馬。足を鐙に引っ掛けたまま引きずられ、馬に胸を何度も踏みつけられるという悲劇に見舞われました。肋骨を5本折るなどの重傷を負い、病院に搬送されたものの、間もなく息を引き取りました。

彼の遺体はグリーニッケ城内の霊廟に、姉ヴィクトリア・マルガレーテの棺の隣に安置されています。

子女

ルイーゼ・ヴィクトリア・マルガレーテ・アントイネッテ・ジーグリンデ・アレクサンドリーネ・ティーラ・シュテファニー (1917年 - 2009年)
フリードリヒ・カール・ヴィクトル・シュテファン・クリスティアン (1919年 - 2006年)

フリードリヒ・ジギスムントは、王族としての責務を果たしながらも、自身の興味や才能を追求し、短い生涯を駆け抜けました。彼の功績は、今もなお語り継がれています。

参考文献
Zivkovic, Georg: Heer- und Flottenführer der Welt. Biblio Verlag, Osnabrück, 1971 S. 427-428 ISBN 3-7648-0666-4
C. Arnold McNaughton: The Book of Kings: A Royal Genealogy, in 3 volumes (London, U.K.: Garnstone Press, 1973), volume 1, page 67.

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