フリードリヒ・レオポルト・フォン・プロイセン

フリードリヒ・レオポルト・フォン・プロイセン：王族、軍人、そして激動の時代を生きた人物

フリードリヒ・レオポルト・フォン・プロイセン（1865年 - 1931年）は、プロイセン王室の一員として生まれ、ドイツ帝国の崩壊とヴァイマル共和政の成立という激動の時代を生きました。彼は軍人としてのキャリアを積みながら、フリーメイソンの支援やギャンブルなど、多面的な顔を持っていました。

生涯

フリードリヒ・レオポルトは、プロイセン王子フリードリヒ・カールと、アンハルト公レオポルト4世の娘マリア・アンナの間に生まれました。1889年には、シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン公フリードリヒ8世の娘ルイーゼ・ゾフィーと結婚。この結婚により、彼はドイツ皇帝ヴィルヘルム2世と義兄弟の関係となりました。

プロイセンの王族男子として、フリードリヒ・レオポルトは軍人の道を歩みます。10歳で士官学校に入学し、名誉職として近衛歩兵連隊に少尉として任官。その後、順調に昇進を重ね、1893年には大佐に昇進しました。1887年には日本を訪問しています。

大佐昇進後、少将に任官され、胸甲騎兵連隊の司令官となります。また、オーストリア＝ハンガリー軍の第2驃騎兵連隊長も兼任しました。1898年には中将、1902年には騎兵大将に昇進。1904年から1905年の日露戦争では、ロシア軍参謀本部の軍事顧問を務めました。1907年には軍の総監となり、1910年には上級大将に昇進しています。

軍人以外の活動

フリードリヒ・レオポルトは、軍人としての活動の傍ら、様々な分野に関わりました。1886年にはヴェーゼル市の市民保護団体の後援者となり、ホーエンツォレルン家の中でフリーメイソンのプロイセン支部を支援した最後の人物となりました。一方で、彼はギャンブル好きとしても知られ、カジノに頻繁に出入りし、父から相続した財産を売却せざるを得なくなることもありました。第一次世界大戦中には、ユンカース社などの企業から融資を受ける相談をしています。

第一次世界大戦後

第一次世界大戦後、彼の領地の一部であったクロヤンケは、ポーランド領となりました。しかし、1924年にドイツ国最高裁判所は、クロヤンケがフリードリヒ・レオポルトの私有財産であることを認めました。この判決は、ヴァイマル共和国政府が旧王族・貴族からの財産補償請求を容認する道を開いた重要な判例となりました。

ベルリンのプリンツ＝フリードリヒ＝レオポルト運河は、彼の名前にちなんで名付けられています。

子女

妻ルイーゼ・ゾフィーとの間には、三男一女の4人の子供がいましたが、そのうち3人に先立たれています。

ヴィクトリア・マルガレーテ（1890年 - 1923年）
ヨアヒム・ヴィクトル（1891年 - 1927年）
タッシロ・ヴィルヘルム（1893年 - 1917年）
フランツ・ヨーゼフ（1895年 - 1959年）

フリードリヒ・レオポルト・フォン・プロイセンは、プロイセン王室の一員として、軍人として、そして一人の人間として、激動の時代を生き抜きました。彼の生涯は、当時のドイツ社会や政治状況を理解する上で貴重な手がかりとなります。

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