フリードリヒ3世 (上ロートリンゲン公)

フリードリヒ3世は、11世紀に上ロートリンゲン公として短期間在位した人物です。1020年頃に生まれ、1033年に亡くなりました。ドイツ語ではFriedrich III.と表記されます。

彼はバル伯フリードリヒ2世と、シュヴァーベン大公女マティルデの息子として生まれました。祖父であるディートリヒ1世の跡を継ぎ、1026年または1027年に上ロートリンゲン公の地位に就きます。

しかし、公爵としての彼の事績については、ほとんど記録が残っていません。未成年のうちに公位を継いだため、摂政が置かれたと考えられますが、その名前すら伝わっていません。治世についての記録が乏しいことから、政治的な影響力は限られていたと考えられています。

1033年、フリードリヒ3世は若くして亡くなりました。結婚しておらず、子供もいなかったため、後継者を指名することができませんでした。このため、上ロートリンゲン公領の統治は、神聖ローマ皇帝コンラート2世の手に委ねられることになります。

コンラート2世は、フリードリヒ3世の父フリードリヒ2世の従兄弟にあたる、下ロートリンゲン公ゴツェロ1世に上ロートリンゲンを与えました。これにより、上ロートリンゲンと下ロートリンゲンは一時的に統合されることになります。二つのロートリンゲン公領は、その後数年間、ゴツェロ家によって統治されました。

フリードリヒ3世の死後、彼の姉妹であるゾフィアとベアトリクスは、母方の叔母であるギーゼラ（コンラート2世の妃）に引き取られ、養育されました。ギーゼラは、姉妹たちの保護者として、彼女たちの将来を支えたと考えられています。

このように、フリードリヒ3世は若くして公位を継承したものの、その治世は短く、記録も少ないため、詳しい事績は不明です。しかし、彼の死後、上ロートリンゲンが神聖ローマ皇帝の手に委ねられ、後の歴史に大きな影響を与えたことは特筆に値します。

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