フレッシュジャンプ

『フレッシュジャンプ』についての概要

『フレッシュジャンプ』は、1982年7月に創刊された集英社の漫画雑誌で、日本の少年漫画シーンにおいて重要な位置を占めていました。創刊の際には、「新鮮な作家による、新鮮な少年漫画、新鮮な雑誌作り」を理念として掲げ、特に新人漫画家の作品を積極的に取り入れることに注力しました。特にその名称は、新人漫画賞の「フレッシュジャンプ賞」に由来し、当時の編集長は『週刊少年ジャンプ』の西村繁男が兼任していました。

雑誌のスタートからしばらくの間は、1本の連載作品と数本の読切作品が掲載される形式で、初回の1982年8月号では、ゆでたまごの「闘将!!拉麵男」のみが連載されていました。他の作品はすべて短編でした。しかし、その後の号では連載作品が増え、1985年には3つの新連載が始まるなど、徐々に誌面が充実していきました。

月刊化と編集方針の変化

1983年9月号からは正式に月刊化され、以降は毎月23日に発行されるようになりました。この移行により、編集方針にも変化が生じました。特に、新人漫画家の育成がより一層重視されるようになり、多くの有名作家がこの雑誌から巣立っていきました。原哲夫や桂正和、森下裕美など、有名な作品を生み出した漫画家たちもこの雑誌でそのキャリアをスタートさせています。

しかし、複雑な編集方針の中で、1985年には雑誌に対する対立や混乱も生じました。例えば、副編集長の中野和雄と後藤広喜の意見の対立から、編集が容易でなくなり、後に中野が編集長に就任後は、独自の方針が強化されました。中野による自身の担当作品「闘将!!拉麵男」の強行連載が行われたことが、雑誌内での緊張を高める一因ともなりました。

休刊とその後の影響

月刊化が進む中で、『フレッシュジャンプ』はその個性を強め、新人育成のために多くの試みを行いました。しかし、独立した方針に変わったため、最終的には『週刊少年ジャンプ』からの分離が目立ち始めました。そして、1988年12月発売の1989年1月号をもって休刊の運命を辿ることとなります。これは、当時の編集長西村の判断によるもので、一部の作品は他のコンテンツに移行されることが決定しました。

最後に、『フレッシュジャンプ』で連載された作品の単行本は、すべてジャンプ・コミックスとして販売され、後に別の雑誌へ移籍された作家たちが新たな作品を展開する際にも、その影響力が色濃く残りました。特に西村が新たに任命された青年誌『スーパージャンプ』においても、フレッシュジャンプの執筆陣が再編されるなどの影響があったことが記録されています。

『フレッシュジャンプ』は、その歴史を通じて多くの才能を育成し、氏名を挙げることができる重要な雑誌でした。これに関する詳細は、西村繁男の著書「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」にも取り上げられています。

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