フレネミー 〜どぶねずみの街〜

日本テレビで2013年7月3日から9月18日にかけて深夜帯で放送されたテレビドラマ『フレネミー 〜どぶねずみの街〜』は、都市の裏社会を舞台に、過酷な運命をたどる幼馴染の再会と、彼らの間に芽生える友情と対立を描いた作品です。主演は、EXILEのSHOKICHIとNAOTOが務めました。

物語は、幼少期に両親を失い、厳しい境遇を生き抜いてきた主人公・森下夏生（演：SHOKICHI）が、かつての幼馴染である岡嶋渉（演：NAOTO）と再会するところから始まります。夏生は、少年期から波乱に満ちた人生を送っており、親族による虐待から逃れ、少年院での服役を経て、裏社会で金貸しの道を歩み始めます。彼は、小暮グループ会長・小暮真一（演：神保悟志）に拾われ、その才覚を認められて「ナイトサロン Venus」の店長にまで上り詰めます。これは、生き別れとなった妹・香澄（演：荒井萌）への仕送りを続けるためでした。

一方、渉はリストラに遭い困窮している状況で夏生と偶然の再会を果たし、夏生に頼み込んでナイトサロンで働き始めます。しかし、彼の正体は、小暮グループの非合法ビジネスを追う警察の潜入捜査官でした。最初は頼りない姿を見せる渉でしたが、それは巧みな演技であり、その本性は冷徹かつドライな人物です。しかし、夏生に対する幼馴染としての友情は本物であり、彼を侮辱する者には強い怒りを露わにします。小柄ながらもプロボクサー並みの高い戦闘能力を持ち、並外れた腕力も兼ね備えています。

ドラマでは、裏社会の権力者である小暮会長や、その下の幹部たち（北見、鮫島など）が登場し、夏生と渉を取り巻く環境は常に危険に満ちています。ナイトサロンのキャバクラ嬢たち（ルナ、カナコなど）や、夏生に敵対心を抱く黒服の藤沢といった人間関係も描かれます。また、夏生の妹・香澄とその支援施設の関係者、小暮グループを追う刑事・矢崎百合枝（演：音月桂）、実業家として夏生の生死を賭けたギャンブルを行う風間貞男（演：京本政樹）、そして彼を探るジャーナリストの城ヶ崎健一（演：山下健二郎）など、様々な思惑を持った人物たちが交錯し、物語は予測不能な展開を迎えます。

友情と裏切り、暴力とサスペンスが織りなすハードボイルドな世界観が本作の特徴であり、登場人物たちの複雑な心理描写も見どころの一つです。特に、潜入捜査官を指して「どぶねずみ」「ねずみ」と呼ぶ表現が、ドラマのタイトルや世界観に深く関わっています。

スタッフは、脚本を樫田正剛、音楽をブラボー小松、演出を大塚恭司らが手掛け、主題歌にはTHE SECOND from EXILEの「プライド」が使用されました。放送時間は基本的に水曜深夜でしたが、回によっては変更が生じることもありました。

ドラマの関連商品としては、2013年12月18日に本編や特典映像を収録したBlu-ray BOXとDVD-BOXが、豪華版と通常版の二種類で発売されました。また、同年12月11日にはデジタルブックもリリースされています。

最終話では、夏生と渉が共に銃撃されるような描写があり、彼らの生死が明確に描かれないまま幕を閉じ、視聴者に強い印象を残しました。

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