ブックエンド (河合奈保子のアルバム)

アルバム『ブックエンド』の概要

『ブックエンド』は、河合奈保子が1990年6月1日に日本コロムビアからリリースした17作目のオリジナル・アルバムです。今作は河合奈保子のデビュー10周年を祝う重要な作品であり、前作『Calling you …呼びよせられて…』から約半年を経て発売されました。本作は全ての楽曲を河合自身が作曲した意欲作であり、引き続きミッキー吉野がプロデューサーとして携わっています。

本アルバムでは、多くの作詞を手がけたさがらよしあき（相良好章）や、各曲に英語のサブタイトルが付けられる点が特長です。これにより、海外のリスナーにも親しみやすい内容になっており、音楽的な多様性を感じさせます。演奏にはシカゴ出身のジャズ・ピアニスト、ハービー・ハンコックが率いるバンド「ザ・ヘッドハンターズ」に在籍したポール・ジャクソンがベースを担当し、タワー・オブ・パワーのドラマーであるデビッド・ガリバルディも参加しています。また、パーカッションにはピート・エスコヴェード、ギターにはレイ・オビエドを迎え、フュージョン、スムーズジャズ、ファンクなど、様々なジャンルのミュージシャンが実力を発揮しています。

収録曲とテーマ

アルバムの先行シングル「美・来」は、アルバム・バージョンで収録されており、河合奈保子はこのアルバムにおいて「美」をテーマにした楽曲を最初と最後に配置する意図があったと語っています。具体的には、「美・感性」と「美・来」の2曲がその役割を果たしており、アルバム全体をブックエンドのように構成することで一貫したテーマを持たせています。さらに、7曲目の「Motion Poet」は、中村あずさに提供された楽曲のセルフカバーであり、多様なアプローチを示しています。

アルバムのアートワーク

ジャケットやライナーノートに描かれているアートは、岸並千珠子によるもので、視覚的にも聴覚的にも楽しめる内容になっています。アートと音楽の調和が印象的で、アルバム全体のテーマ性を強化しています。

再リリースと収録情報

本作は2007年12月19日に発表されたアルバム・ボックス『NAOKO PREMIUM』のDisc 17に収録されており、2020年1月29日にはタワーレコード限定で紙ジャケット仕様として再発売されました。これにより、河合奈保子の音楽は新たな世代のリスナーに届くこととなりました。楽曲の参加ミュージシャンは多彩で、ギターにレイ・オビエドや松本恒夫、ベースにポール・ジャクソン、パーカッションにはピート・エスコヴェード、ドラムはデビッド・ガリバルディが参加し、キーボードにはミッキー吉野が担当しています。

このように『ブックエンド』は、河合奈保子の音楽的な成長を感じさせるアルバムであり、彼女のキャリアにおける特別な意義を持つ作品となっています。

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