ブッシュマスター (装甲車)

ブッシュマスター防護機動車

ブッシュマスター防護機動車（Bushmaster Protected Mobility Vehicle）は、オーストラリアが開発した装輪装甲車です。この車両は、防護機能を持つ移動手段を求める軍のニーズに応じて設計され、歩兵輸送を主な任務としています。

開発の経緯

ブッシュマスターの開発は1990年代にさかのぼります。オーストラリアのペリーエンジニアリング社が、アイルランドのティモニー・テクノロジー社の技術協力を得て、試作車を制作しました。その後、タレス・オーストラリア社が改修を行い、オーストラリア陸軍による正式な採用へとつながります。1998年の「ブッシュレンジャー」トライアルでは、南アフリカのタイパン装甲車に勝利し、オーストラリア陸軍に採用されました。

特徴と仕様

ブッシュマスターは、北オーストラリアの厳しい環境に耐えられるように設計されており、最大9名の兵士とその装備を積載できる家具を備えています。燃料や物資を十分に搭載し、約3日間の行動が可能です。ただし、コスト削減のために予定されていた飲料水冷却供給装置は一時的に取り外されましたが、兵士たちの不満を受けて再度検討されています。

兵員の防護を目的としておりながらも、軽装甲で設計されているため、ブッシュマスターは戦闘時に兵士を車両内に乗せたままにすることは想定されていません。ただし、武器システムの搭載が可能で、機関銃やリモート・ウェポン・ステーションを装備することができます。

耐弾性および爆風対策

装甲は7.62mm弾に対して耐性を持ち、特に地雷やIEDに対する強い耐性を備えるため、V字型の車体構造（Vハル）を採用しています。この設計により、爆薬の爆風を効果的に逸らしつつ、乗員の安全を確保しています。

また、輸送手段としても考慮されており、C-130やC-17輸送機、Mi-26輸送ヘリコプターといった航空機に搭載可能です。これにより、迅速な配備が可能となります。

運用国と実績

ブッシュマスターはオーストラリア陸軍が主に使用しており、1,052両が導入されています。イギリス、オランダ、ジャマイカ、インドネシア、日本など、多数の国でも運用されています。特に日本では、2014年に邦人救出活動に備えて4両を購入し、その後も追加購入を行っています。

ウクライナにおいても、2022年のロシアによる侵攻を受け、オーストラリア政府から90輌が供与されています。

不採用国の動向

フランスやカナダ、アメリカなど、いくつかの国でも導入が検討されたものの、最終的な採用には至りませんでした。これらの国々は、それぞれのニーズに合った別の車両を選定しています。

結論

ブッシュマスター防護機動車は、現代の戦場において重要な役割を果たしており、兵士の安全を承認するために設計された多機能な装輪装甲車です。各国の軍隊によって運用される中で、その耐性と機動性は実証されてきました。

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