ブライアン・ウェルチ

ブライアン・フィリップ・ウェルチ（1970年6月19日生まれ）は、"Head"の芸名で知られるアメリカのギタリストであり、人気ロックバンドKornのメンバーです。また、ソロプロジェクトであるLove and Deathでも活動しています。

生い立ちとKorn結成

ウェルチはベーカーズフィールドで生まれました。子供時代はいじめられっ子で、音楽とオジー・オズボーンを愛していました。両親は共働きで長時間労働であり、父親は怒りっぽく酒を飲む人でした。10歳の時、クイーンやテッド・ニュージェントを通して音楽に出会い、AC/DC|AC_DCに夢中になりギターを始めました。

L.A.P.D.の元メンバーであるジェームズ“マンキー”シェイファー、フィールディ、デイヴィッド・シルヴェリアらに誘われ、彼らとCreepを結成。その後、ジョナサン・デイヴィスをボーカルに迎え、Kornを結成しました。Kornは2500万ドルの印税を稼ぐほどの人気バンドとなり、ウェルチの独特なギターサウンドはKornの成功に大きく貢献しました。音楽での成功に加え、ウェルチは不動産業でも財を成しました。

薬物依存と信仰への目覚め

しかし、ツアー生活の疲れから薬物依存となり、私生活は破綻。アルコール中毒にも苦しみました。妻もドラッグ中毒となり娘を置いて失踪したため、離婚して娘の親権を取りシングルファーザーとなりました（最初の子供は生後すぐに養子に出しています）。

ある時、幼い娘がKornのヒット曲「A.D.I.D.A.S」を歌っているのを見て、自らの生活を省みるようになります。パーティ三昧の生活、酒やドラッグにまみれた環境を変えたいと強く思うようになり、ビジネスパートナーから紹介されたキリスト教新興団体Valley Bible Fellowship教会に通い始め、クリスチャンになることを決意。2005年にKornを脱退し、教会信者と共にイスラエルへ行きヨルダン川で洗礼を受けました。メタルスターの突然の転向は世間を驚かせ、MTVが洗礼の儀式に同行して報道しました。この出来事は、教会が若い信者を獲得するきっかけとなりました。しかし、ジョナサン・デイヴィスからは「洗脳されている」と言われ、ファンからも変人扱いされることもありました。

ソロ活動とKorn復帰

2007年には、それまでの人生と信仰告白を綴った自伝『Save Me From Myself』を出版し、ベストセラーとなりました。クリスチャン・ロックのレーベルから同名のアルバムもリリースしましたが、Korn時代とは比較にならないほど少ない聴衆の前で演奏することに悩みも抱えていました。その後、Korn再加入の話を受け、2012年からゲスト出演するようになり、2013年に正式に復帰しました。

Korn脱退から再加入までの8年間について綴った本『With My Eyes Wide Open』を2016年に出版。自傷行為を繰り返す娘を育てる難しさや、破産、裁判沙汰、ソロ活動として結成したバンド「ラブ＆デス」の商業的失敗などについて赤裸々に語っています。

ブライアン・ウェルチの人生は、音楽、成功、苦悩、そして信仰という様々な要素が複雑に絡み合っています。彼の経験は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

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