ブラインド・フューリー

ブラインド・フューリー (Blind Fury)

『ブラインド・フューリー』は、1989年に公開されたアメリカのアクション映画であり、トライスター映画が配給を手掛けています。この作品は86分の尺で、カラー映像となっています。映画は、勝プロダクションからの正式な許可を得て製作されたアメリカ版『座頭市』とも言えるもので、原題の「Blind Fury」は、視力を失った主人公の怒りや過去のトラウマを象徴的に表しています。

あらすじ

物語の主人公であるニック・パーカー（演：ルトガー・ハウアー）は、ベトナム戦争に派遣されたアメリカ兵です。彼は戦闘中に迫撃砲の爆発により失明しますが、ベトナム人によって助けられ、盲目の状態であっても他の感覚を駆使して剣の技術を磨いていきます。20年後、アメリカに帰国したニックは、戦友フランク・デヴローを訪ねますが、彼は行方不明となっています。フランクの息子であるビリーに出会ったニックは、彼とその母リンと共にフランクを探し出す決意を固めます。

事態は急変します。麻薬組織のボス、クロード・マクレディの部下がビリーを誘拐しようとする場面に遭遇します。ニックの活躍により、誘拐の試みは失敗しますが、リンが重傷を負い、彼女はビリーを父フランクのところへ連れて行くようニックに懇願します。この言葉を胸に、ニックはビリーを連れてネバダ州リノへ向かうことになります。

向かう途中、ニックはビリーに母の死を告げるが、ビリーは混乱し、再びスラグの手の中に捕らわれてしまいます。しかし、ニックはビリーを救出し、次第に二人の間に絆が生まれていく様子が描かれます。リノでは、フランクの恋人アニーと出会ったニックとビリーは、フランクの所在を突き止めるためアニーの協力を得ることになります。

クライマックス

彼らはマクレディのカジノに辿り着き、フランクが麻薬製造に関与していることを知ります。ニックはフランクを救出し、研究室を破壊するものの、ビリーとアニーは再び誘拐されてしまいます。ニックとフランクは、麻薬を取り戻すことで彼らを救おうとしますが、待ち伏せに遭い、自家製の武器を持って敵に立ち向かいます。

ニックが雇われた日本の殺し屋と壮絶な剣戟を繰り広げる中、彼は身を呈して敵を打ち負かし、ついにビリーとアニーを取り戻します。フランクは家族と再会し、サンフランシスコに向かうことになりますが、ニックは行くことを選ばず、ビリーを残して去ることにします。最後には、ビリーが「寂しい」と告げ、微笑みながら去っていくニックの姿が印象的に描かれています。

スタッフとキャスト

本作の監督はフィリップ・ノイス、製作はダニエル・グロドニックとティム・マシスンが手掛けました。また、音楽はJ・ピーター・ロビンソンが担当しています。主なキャストにはニック役のルトガー・ハウアーをはじめ、テリー・オクィン、ブランドン・コール、リサ・ブロント、メグ・フォスターなどが名を連ねています。映画『ブラインド・フューリー』は、盲目の兵士が愛する者を救うために立ち向かう姿を描いた、感動的で迫力ある物語として、今なお多くのファンに親しまれています。

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