ブラウン・アンド・ウィリアムソン

ブラウン＆ウィリアムソン（Brown & Williamson Tobacco Inc、以下B＆W）は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州に本社を置く、かつて世界的に事業を展開していたタバコメーカーです。現在はブリティッシュ・アメリカン・タバコ（BAT）の一部となっています。2004年、R.J.レイノルズ・[[タバコ・カンパニー]]に吸収合併されるまで、数多くの銘柄を世に送り出し、アメリカタバコ業界をリードする存在でした。

B＆Wは、日本にも拠点を置き、幅広いマーケティング活動を行っていました。日本のテレビ番組へのスポンサー提供も盛んで、深夜番組を中心に、多くの国民にそのブランドネームを浸透させました。提供番組クレジットには「B＆W タバコ」と表記されることもありました。

B＆Wが製造・販売していたタバコ製品は多岐に渡ります。世界的に有名な『KENT』や『ラッキーストライク』、『パーラメント』といったブランドに加え、『マールボロ』（初期）、『ウィンストン』、『KOOL』、『ハーレーダビッドソン』といった銘柄も手がけていました。これ以外にも『バージニア』、『パンテージ』、『ジョーカー』、『ネクスト』、『バークレイ』、『フィリップモリス』（初期）、そして『DEATH』という銘柄も存在していました。

B＆Wは、その企業活動において、タバコのニコチンの依存性に関する内部文書を隠蔽していたことが発覚し、大きな批判を浴びることとなりました。この事件は、内部告発者ジェフリー・ワイガンド氏によって明るみに出され、社会に大きな衝撃を与えました。この事件は、タバコ業界の倫理問題を改めて問うきっかけとなり、映画『インサイダー』としても制作され、広く社会にその問題点が知られることとなりました。

スポンサー提供番組としては、日本テレビ系列の『きょうの出来事』、TBS系列の『筑紫哲也NEWS23』（ラッキーストライク名義での提供もあったとされています）、フジテレビ系列の『FNN NEWSCOM』、北海道文化放送（uhb）の『プロ野球ニュース』（ローカルスポンサー）、フジテレビ系列の『ニュースJAPAN』（番組内の『プロ野球ニュース』はJT提供）、そしてフジテレビ系列の『とんねるずのみなさんのおかげです』（KENTマイルド名義での提供もあったとされています）など、多くの番組にスポンサーとして名を連ねていました。これらの番組は、同業他社である日本たばこ産業（JT）、フィリップモリス、レイノルズタバコなどもスポンサーとして参加していたケースが多くみられます。

このように、B＆Wは、数々の有名ブランドを生み出し、日本のテレビ番組にも深く関わっていた企業でしたが、内部文書の暴露によってその企業倫理が問われることとなり、アメリカタバコ業界における大きな転換点の一つとなりました。その歴史と製品、そして社会問題に与えた影響は、現在でも記憶されており、タバコ産業の在り方を考える上で重要な事例となっています。B＆Wの歴史は、成功と挫折、そして企業倫理の重要性を改めて認識させる物語として、後世に語り継がれていくでしょう。

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