ブラジルの国章

ブラジルの国章

ブラジルの国章は、1889年11月19日に制定されました。これは、ブラジルで革命が起こり、共和政が樹立されたわずか4日後のことです。国章は、ブラジルの歴史と自然、そして国家の象徴を表現しています。

デザイン

国章の中央にはエンブレムがあり、その周りをブラジルの主要な作物であるコーヒー（左側）とタバコ（右側）の枝が取り囲んでいます。これは、ブラジルの農業と豊かな自然を象徴しています。

中央のエンブレムには、空色の円盤があり、その上に南十字星の形に銀色の星が配置されています。南十字星は、ブラジルが南半球に位置することを示しています。円盤を取り囲む27個の星は、ブラジルの26の州と1つの連邦直轄区を表しています。これは、ブラジルの連邦制と統一を象徴しています。

下部の青い帯には、ブラジルの正式な国名である「República Federativa do Brasil」（ブラジル連邦共和国）が金色で記されています。その下には、共和国が樹立された日である「1889年11月15日」が書かれています。これは、ブラジルの共和政の成立を記念するものです。

現在の国章

現在の国章は、1889年の布告第4号で制定され、1968年5月28日の法律第5443号で修正されています。国章のデザインは細部にわたり規定されており、高さと幅の比率は15:14です。

円形の盾：スカイブルーの地に、5つの銀色の星を南十字星の形に配置。円の境界は金色で縁取られ、国旗にあるのと同じ数の銀色の星で囲まれています。
星型の放射状の色面：緑と金が交互に配され、星型の外側は二種類の線で縁取られています（内側が赤、外側が金）。
剣：刀身が白く、柄頭が金、柄が青で、中央は赤で銀色の星が配置されています。剣は、コーヒーの枝とタバコの枝が作る輪の上に置かれています。
巻物：剣の柄の上にある青い巻物には、金色で「República Federativa do Brasil」、「15 de Novembro」、「de 1889」と記されています。

歴史

1889年の制定後、1968年に色合いが明るいものに変更されました。また、州の増加に合わせて、星を追加する修正が1971年と1992年に行われています。これは、ブラジルの発展と変化を反映したものです。

ブラジル帝国の国章

ブラジル帝国時代には、ペドロ1世とペドロ2世が異なる国章を用いていました。1889年のクーデターで帝政が倒れて以来、帝政時代の国章は使用されていません。

1822年9月18日、ブラジルの独立宣言から11日後、ドン・ペドロ王子（後のブラジル皇帝ペドロ1世）は最初の国章を定めました。これは、緑の盾にポルトガルの「キリスト騎士団十字」を置き、その上に金色の天球儀をあしらい、天球儀の周りを青い輪と19の銀星が取り囲み、盾の上にはダイヤモンドのある王冠を載せ、周りをコーヒーとタバコの枝で囲んだものでした。

国章の中の星の数は、ブラジル帝国の州の数を反映しており、少しずつ変化しました。また、王冠のデザインも、当初はポルトガル国王の王冠を使用し、ペドロ1世が戴冠式をした1822年12月1日から1841年までは最初の帝冠のデザインを用いました。1841年7月18日、親政を始めたペドロ2世が戴冠式を行うと、このときのために作られたより豪華な帝冠が国章にも用いられ、帝政崩壊まで使用されました。

ブラジルの国章は、その歴史と象徴性において、ブラジル国民にとって重要な意味を持っています。国章は、ブラジルのアイデンティティと誇りを表すものであり、国の様々な場面で使用されています。

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