ブラチスラヴァ地域鉄道線企業体

ブラチスラヴァ地域鉄道線企業体株式会社の歴史と経営破綻

ブラチスラヴァ地域鉄道線企業体株式会社（BRKS）は、スロバキアにおいて民間の旅客鉄道運行を行っていた企業でした。彼らは第二次世界大戦後、スロバキアで初めての私鉄として位置づけられ、2003年に設立されました。設立の背景には、地域の国鉄が運行を停止したことにより、特定の路線の運行契約を引き継ぐ必要があったことが挙げられます。政府から「地方線」として指定を受けた後、ブラチスラヴァ県政府と民間企業との資本参加により、この鉄道会社は誕生しました。

設立時には、ブラチスラヴァ県政府が51%の出資をし、鉄道車両メーカーや運輸業者も名を連ねました。最初は地方輸送の継続を目的として運行を開始し、特にゾホル-ザーホルスカーヴェス鉄道線およびロホジュニーク-ゾホル間の鉄道で旅客や貨物輸送を行いました。2005年頃まで、順調に見えた運営も、県当局からの経済的支援の不足に直面し、運行の一部を休止することとなりました。

一方で、2004年以降は国際貨物輸送にも注力し、周辺国の鉄道との連携を強化。その結果、鉄道貨物輸送が増加し、さまざまな顧客企業とのビジネス関係を築くことができました。

しかし、経営は次第に厳しくなり、2011年には長期にわたって線路使用料や施設使用料の支払いを滞納していたため、スロバキア国鉄からの事業認可が取り消される結果となりました。企業側はこの問題を、ブラチスラヴァ県の助成の不履行が起因であると主張しましたが、一方で経営陣内での企業名義の移転を試み、事業の継続を図りました。残念ながら、これらの努力も虚しく、同年8月に国鉄が破産を申し立て、9月14日には正式に破産が宣告されました。

保有車両については、2007年時点でディーゼル機関車15両および電気機関車が4両、計22両のトレインを所有していました。さらに、オランダから長距離旅客列車を運行するために2編成の気動車を導入しましたが、営業運転は行われていませんでした。このように、鉄道事業の拡張を目指しながらも多くの困難に直面したことが経営破綻の一因とされています。

最終的に、ブラチスラヴァ地域鉄道線企業体株式会社は、スロバキアでの民間鉄道の歴史の中に一つのターニングポイントを刻むことになりました。現存するスロバキア国鉄や鉄道企業体カーゴ・スロバキアとの関係は続いており、今後の状況に注目が集まります。

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