ブラック・エンターテインメント・テレビジョン

ブラック・エンターテインメント・テレビジョン（BET）とは

ブラック・エンターテインメント・テレビジョン（Black Entertainment Television、BET）は、アメリカ合衆国に在住するアフリカ系アメリカ人を主な対象としたケーブルテレビチャンネルです。現在は大手メディア企業であるパラマウント・グローバルの傘下にあります。BETは、宗教番組から報道番組、都市部向けの映画やドラマ、そして特に人気のあるヒップホップやR&Bの音楽ビデオまで、幅広いジャンルの番組を放送しています。

BETの歴史

BETは、ケーブルテレビ業界でロビー活動家として活躍していたロバート・ジョンソンによって1980年1月に設立されました。ジョンソンは、ケーブルテレビ配信会社TCI（後のリバティメディア）のCEOジョン・マローンから50万ドルの投資を受け、BETを立ち上げました。当初、BETはUSAネットワークで毎週金曜日の23時から25時（東部時間）までの2時間、放送を開始しました。放送内容は、主に過去の映画や音楽ビデオで、当時まだ発展途上だったケーブルテレビ業界において、アフリカ系アメリカ人という新たな市場を開拓しようと試みました。

1980年5月には、黒人大学スポーツイベントの放送と1時間の放送時間延長のために、100万ドルの増資を行いました。同年11月には、2時間半番組「ブラックショーケース」や、現在も放映されている「ボビージョーンズ・ゴスペルショー」を開始しました。

1983年6月26日には、人気DJドニー・シンプソンが司会を務める音楽ビデオ番組「ビデオソウル」がスタートし、BETにおける初の主要な影響力を持つ番組となりました。

1983年10月1日、HBOからの増資を受けた後、760万人との視聴契約を獲得し、24時間放送を開始しました。その後20年以上にわたり、BETは視聴契約数を増やし続け、テレビ業界を超えた成長を遂げました。1989年10月には、BET初の雑誌「エマージ」を刊行し出版業界にも参入、続いてアフリカ系アメリカ人の若者向け雑誌「YSB」を発刊しました。

1990年代には、会社分割方式でいくつかの新しいネットワークを立ち上げました。ジャズ専門チャンネル「BET on Jazz」（現在の「BET J」）、ペイパービュー方式の「BETアクション」、リバティメディアとの共同出資によるペイテレビ・Starz内の「BET Movies/Starz!」（BETはバイアコム傘下に入った2001年に運営から撤退、「Black Starz!」にチャンネル名変更、2005年にはさらに「Starz in Black」に変更）などがあります。また、BETはデジタルケーブルプラットフォームを通じて、アメリカ全土に「BETヒップホップ」と「BETゴスペル」のサービスを提供しています。

1998年、ロバート・ジョンソンとリバティメディアがBETを共同で買収しましたが、2000年にはバイアコムが買収しました。

社会貢献活動

BETは、アフリカ系アメリカ人の関心に特化した番組を放送するだけでなく、公共事業活動にも積極的に取り組んでいます。「ラップイットアップ」運動では、アフリカ系アメリカ人コミュニティに広がるHIV/AIDS感染の抑制を目指した活動を展開しています。また、ハリケーン・カトリーナの被災者支援のため、2005年9月9日にコンサート「SOS！わたしたち自身を救え」を放送し、1100万ドル以上の募金を集めました。

日本での展開

日本では、1997年にディレクTVが開局した際、「BET on Jazz」の放送が開始されましたが、2000年のディレクTVの日本撤退と共に放送は終了しました。

2007年9月5日からは、MTVジャパンでBETの看板番組「106 & PARK: TOP TEN LIVE」が、日本限定の60分特別バージョン「106 & PARK: TOP TEN VIDEOS」として放送されました。

関連リンク

BET.com
MTVジャパン BET 106 & PARK: TOP TEN VIDEOS

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