ブラッザモンキー

ブラッザグエノン（Cercopithecus neglectus）

ブラッザグエノンは霊長目オナガザル科に属する霊長類で、別名ブラッザモンキーやブラッザザルとも呼ばれています。主にアンゴラ北東部やウガンダ、エチオピア南西部、さらにはガボン、カメルーン、ケニア、赤道ギニア、コンゴ共和国などに分布しています。この種は独特の形態的特徴を持ち、外見は非常に魅力的です。

形態

ブラッザグエノンの体長はオスが48.4から59.4センチメートル、メスは39.4から54.3センチメートルで、重量はオスが4.8から8キログラム、メスが2.5から4.9キログラム程です。その特徴的な見た目として、鼻や口の周りは白く、顎には白いひげが生えています。また、オレンジ色の斑紋が顔にあり、背中は灰色、四肢は黒くて大腿部には白い筋模様があります。さらに、オスの陰嚢は青色であることが特徴でもあります。これにより、「アヤトラ・モンキー」とも称され、前頭部にあるオレンジ色の三日月型の模様が特に目立ちます。

生態

ブラッザグエノンは主に樹上で生活し、熱帯雨林、沼地林、半落葉樹林、有刺植物からなる森林地域に生息しています。通常は4から10匹の群れを形成し、最大で35匹が集まることもあります。群れは母系が強く、メスは生まれた群れに留まるのに対し、オスは性成熟する前に群れを離れる傾向にあります。若獣同士はペアで行動することがあり、一部の個体には一夫一妻の婚姻様式も見受けられます。

彼らは果実を主食とし、植物の葉、花、キノコ、昆虫も食べることが知られていますが、捕食者としてヒョウやチンパンジーなどの他の霊長類、タカや蛇、人間も挙げられます。繁殖は胎生で、妊娠期間は5から6ヶ月ほどです；通常、一度に1頭の幼獣を産みますが、まれに2頭を産むこともあります。生後5から6年で性成熟に達し、野生では約22年、飼育下では約30年の寿命が期待されています。

コミュニケーション

ブラッザグエノンは多様なコミュニケーション手段を持っており、視覚や聴覚を用いて情報を伝達します。たとえば、脅威を感じると唇をまくり上げて犬歯を見せる行動や、頭を上下に振ることが観察されています。また、驚いた時には動きを止める特性があります。これらの行動は、群れの結束や危険の回避において重要な役割を果たします。

人間との関係

人間にとってブラッザグエノンは、一部の地域では食用とされることもありますが、環境破壊や食用狩猟による影響が懸念されています。そのため、特定の地域では絶滅の危険性が高まっています。1977年にはワシントン条約附属書IIに掲載され、この種の保護が求められるようになりました。

語源

ブラッザグエノンの名前の由来は、イタリア系フランス人探検家のピエール・ブラザに由来しています。現地では「沼の猿」として知られ、この名は彼らの生息地を反映していると言えるでしょう。

このように、ブラッザグエノンは独特の生態をもつ興味深い霊長類であり、その存在は生態系において重要な役割を果たしています。

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