ブランドハイソックス

ブランドハイソックスとは、スポーツ用品メーカーが競技用に開発した機能性とデザイン性を追求したハイソックスを指します。ただし、サッカーやラグビーで使用される膝下までの長さのものは、一般的にストッキングと呼ばれます。

ブランドハイソックスの先駆けとなったのは、1984年にアシックスが発売したバスケットボール競技専用のハイソックスです。当時の一般的なハイソックスが500円程度で販売されていたのに対し、アシックスのそれはデザインや機能性に工夫が凝らされ、1200円前後と高価でした。アシックスの「TZS833」は、その代表的な商品として知られています。この成功を受けて、アディダスやプーマといった他の大手スポーツ用品メーカーも、相次いでブランドハイソックスの開発に参入しました。

しかし、1997年にはTZS833もアシックスのカタログから姿を消してしまいます。時代の流れとともに、ハイソックスの需要が変化していったことが背景にあると考えられます。

興味深いことに、2001年前後には、人気グループSMAPがTZS833を着用したことがきっかけとなり、スポーツ用品店にこの商品を求める問い合わせが殺到しました。しかし、アシックスでは商品管理をコンピューターで一元的に行っていたため、カタログから外れた商品は倉庫に在庫があったとしても「在庫なし」と回答せざるを得ない状況でした。これは、一時期的なブームが、必ずしも市場のニーズに繋がらないことを示唆しています。

現在、ブランドハイソックス市場は大きく変化し、ショートソックスが主流となっています。長いものでもふくらはぎ下までの長さであり、それ以外ではくるぶし上、くるぶし、くるぶし下、かかとを覆うスニーカーソックスなど、多種多様なショートソックスが販売されています。かつて一世を風靡したハイソックスは市場からほぼ姿を消し、数センチ単位で商品が揃うショートソックス全盛の時代へと移り変わりました。

このように、ブランドハイソックスの歴史は、スポーツ用品業界のトレンドや消費者のニーズの変化を反映しています。アシックスのTZS833に代表される初期のハイソックスから、SMAPの着用による再評価、そして現代のショートソックス全盛へと至る変遷は、興味深い靴下の物語として語り継がれています。

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