ブランドレス

ブランドレス（Brandless, Inc.）は、アメリカのECスタートアップ企業で、サンフランシスコに本社を置いていました。女性向けウェブサイトiVillageの創設者であるティナ・シャーキーと、美容製品や学用品を手がけるイド・レフラーによって設立されました。

概要

ブランドレスは、日本の無印良品から着想を得て、ブランド名のないプライベートブランドの日用品や食品をECサイトを通じて販売していました。物流、店舗運営、卸売にかかるコストを削減することで、保存料、甘味料、GMO不使用のオーガニック食品や、有害物質を排除した化粧品といった高品質な製品を3ドルという低価格で提供していました。

近年、プライベートブランドは有名ブランドよりも品質が劣るという消費者の認識が変わりつつあり、ソーシャルメディアの普及によってブランドの参入障壁が低くなったことで、プライベートブランドが台頭してきています。バークレイズは、プライベートブランドの台頭がメーカーの価格決定権を大幅に弱めていると分析しています。

創業者の一人であるティナ・シャーキーは、プライベートブランドを幅広く扱うECサイトであるAmazon.comとの違いについて、「アマゾンはあらゆるものを取り扱っているが、われわれは商品を絞って販売している」と述べています。また、高品質な製品を低価格で提供できる理由として、「ブランド税」が不要なため、平均で40％程度、美容製品では370％もリーズナブルな価格で提供できると説明していました。

注文された商品は、サンフランシスコとミネアポリスにある2つの配送センターから発送され、2日以内に到着しました。送料は9ドルでしたが、72ドル以上の購入で無料となりました。また、年会費36ドルを支払ってB.More会員になると、注文金額が48ドル以上で送料が無料となる特典がありました。

廃業

3ドルの低価格で販売するビジネスモデルだけでは採算が取れなかったため、6ドルと9ドルの商品を追加し、平均発注額の増加を試みました。しかし、2020年2月、ビジネスモデルの持続が困難であると判断し、廃業を発表しました。

社会貢献活動

ブランドレスのウェブサイトで買い物をすると、自動的に食料支援NPOであるフィーディング・アメリカに食事が寄付され、アメリカ国内で食料不安を抱える4200万人の飢餓問題を支援する仕組みとなっていました。B.More会員が購入した場合、寄付は2倍に増額される仕組みでした。

沿革

2014年：ティナ・シャーキーとイド・レフラーによって設立
2016年12月7日：シリーズAラウンドでRedpoint、GV、Sherpa Capitalから1600万ドルを調達
2017年7月11日：公式ECサイトBrandless.comを開設。シリーズBラウンドでNew Enterprise Associatesおよび既存投資家から3500万ドルを調達
2018年7月31日：シリーズCラウンドでソフトバンクおよび既存投資家から2億4000万ドルを調達
2020年2月10日：事業閉鎖を発表

関連項目

ECサイト
プライベートブランド

外部リンク

Brandless.com

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