ブリタニア・スタジアム

ベトスリーシックスファイブ・スタジアム

イングランド中部、スタッフォードシャー州の主要都市ストーク＝オン＝トレントに所在するベトスリーシックスファイブ・スタジアム（bet365 Stadium）は、プロサッカークラブ、ストーク・シティFCのホームグラウンドとして広く知られています。

建設と歴史

このスタジアムは、長年にわたりストーク・シティFCの本拠地であったヴィクトリア・グラウンドに代わる新しいスタジアムとして計画されました。1997年に総工費1480万ポンドを投じて建設が進められ、同年8月30日に正式に開場しました。スタジアムが持つ最もユニークな特徴の一つに、クラブの伝説的な選手であり、2000年2月に逝去したサー・スタンリー・マシューズ氏の遺灰が、ピッチ中央、センターサークルの真下に埋葬されている点が挙げられます。これは、クラブとサポーターにとって、偉大なレジェンドへの敬意を示す特別なシンボルとなっています。

名称とその変遷

スタジアムの名称は、スポンサー契約により変遷を遂げてきました。開場当初はブリタニア社が命名権を獲得し、「ブリタニア・スタジアム」として親しまれました。この契約は10年間続きましたが、その後も命名権スポンサーの変更を経て、2016年6月1日からは、地元企業でもあるオンラインギャンブル大手bet365が命名権を取得し、現在の「ベトスリーシックスファイブ・スタジアム」という名称になりました。なお、UEFAが主催する国際試合など、命名権の名称を使用できない場面では、「ストーク・グラウンド（Stoke ground）」という呼称が用いられています。

スタジアムの特徴

こけら落としの試合は、開場に先立つ1997年8月27日に行われ、ロッチデールAFCを迎えて対戦し、1対1の引き分けという結果でした。

ピッチサイズについては、開催される試合のレギュレーションによって調整されています。イングランド国内のプレミアリーグの試合では100m×64mのサイズで運用されていますが、UEFAヨーロッパリーグなどの国際的な大会では、規定により105m×68mのサイズが求められるため、試合ごとに白線を引き直して対応しています。これは、芝生エリア自体は105m×68mのサイズに対応できる設計となっている一方で、プレミアリーグでは戦術的な理由からあえてピッチを狭くしているためです。

また、サッカーシーズンオフの期間には、スタジアムは多目的なイベント会場としても活用されています。これまでに、ボン・ジョヴィ、ブライアン・アダムス、バステッドといった国内外の著名なアーティストがコンサートを開催するなど、地域の文化活動の拠点としても機能しています。

入場者数の推移

ベトスリーシックスファイブ・スタジアムの平均入場者数は、所属リーグによって大きく変動する傾向が見られます。2004-05シーズンにフットボールリーグ1（3部相当）で平均18,025人を記録して以降、チャンピオンシップ（2部相当）では18,000人台後半から19,000人台で推移しました。特に、2008年にプレミアリーグへの昇格を果たしてからは、観客動員数が飛躍的に増加し、2008-09シーズンには平均26,821人、翌2009-10シーズンには平均27,162人を記録しました。その後もプレミアリーグに所属していた期間は、概ね26,000人から27,000人台の安定した観客数を維持しており、クラブの人気とスタジアムが持つ集客力を示しています。

ベトスリーシックスファイブ・スタジアムは、ストーク・シティFCの戦いの舞台であるとともに、クラブの歴史とサポーターの情熱が詰まった、ストーク・オン・トレントの重要なランドマークの一つです。

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