ブリティッシュビート

ブリティッシュビートとは

ブリティッシュビートは、1960年代初頭から中期にかけてイギリスで隆盛したロック音楽の一形態です。1962年のビートルズのデビューを機に、多くのイギリスのバンドが登場しました。彼らはロックンロール、ブルース、リズム&ブルース、カントリー、フォークミュージックなど、多様な音楽的ルーツを持ち、その共通点から「ブリティッシュビート」と総称されました。

多様な音楽性とバンド

ブリティッシュビートは、その内部にも多様な音楽性を持つバンドが存在しました。初期のビートルズ、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ、サーチャーズなどのリバプール出身のバンドは、マージービートとして知られる独特のサウンドを確立しました。一方、ローリング・ストーンズやヤードバーズは、リズム&ブルースやブルースの影響を強く受けた音楽を展開しました。さらに、ザ・フーやスモール・フェイセズのようなモッズバンドも、ブリティッシュビートの重要な一部を担いました。これらのバンドに共通するのは、黒人音楽からの強い影響と、小編成バンドによる歯切れの良いビートとギターサウンドです。

終焉と音楽シーンへの影響

1967年頃から、ブリティッシュビートの勢いは衰え始めます。ビートルズやピンク・フロイドのようなサイケデリック・ロック、ジミ・ヘンドリックスやクリームのようなブルースロックが、イギリスの音楽シーンを牽引するようになりました。これにより、ブリティッシュビートの共通の音楽的特徴は、サイケデリックロックやブルースロックへと移行しました。ブリティッシュ・インベイジョンの終焉とともに、ブリティッシュビートのサウンドも姿を消していきました。

しかし、ブリティッシュビートの影響は、その後の音楽シーンに深く刻み込まれています。1960年代後半のガレージロック、1970年代前半のイギリスのパブロック、1970年代後半のパンクロック、ザ・ジャムなどのモッズリバイバル、1990年代のブリットポップ、2000年代以降のガレージロックリバイバルなど、多くの音楽ジャンルにその影響を見ることができます。また、現在でもブリティッシュビートは、リスナーからの需要が高く、関連書籍やオムニバスCDがリリースされています。

代表的なアーティスト

ザ・ビートルズ
ザ・ローリング・ストーンズ
アニマルズ
ザ・ホリーズ
ザ・キンクス
ジェリー&ザ・ペースメイカーズ
サーチャーズ
ヤードバーズ
ザ・フー
スモール・フェイセズ
スペンサー・デイヴィス・グループ
ザ・ゾンビーズ
プリティ・シングス
マンフレッド・マン

関連事項

ブリティッシュ・インヴェイジョン
リバプールサウンド

もう一度検索