ブリテン・ノーマン トライランダー

ブリテン・ノーマン トライランダー (BN-2A Mk III Trislander)とは

ブリテン・ノーマン トライランダーは、イギリスのブリテン・ノーマン社が製造した3発ピストンエンジンを搭載する18人乗り旅客機です。名称は、3を意味する「tri」と、原型となった「アイランダー (islander)」を組み合わせた造語です。

開発の経緯

1968年、ブリテン・ノーマン アイランダーの改良型として計画されました。搭載能力を向上させるため、胴体の延長、脚部の改造、そして3発目のエンジンを垂直尾翼上部に搭載するという大胆な設計が採用されました。1970年9月11日に初飛行を成功させています。

特徴

トライランダーの最大の特徴は、垂直尾翼に中央エンジンを配置した独創的な構造です。これにより、450mの短い滑走路からの離陸を可能にするSTOL性能と、不整地での運用能力を実現しました。中央エンジンの配置は、ラダーの面積不足という課題を生みましたが、二重ヒンジを採用することで解決しています。この二重ヒンジ構造は、アメリカのダグラス DC-10でも採用されています。

日本での運用

日本では、1980年代に日本内外航空が鹿児島空港を拠点として離島路線で運用していました。しかし、2005年現在、国内に登録されている機体はありません。

スペック

最高速度: 309km/h
巡航速度: 298 km/h
座席数: 最大18席
航続距離: 約1,300 km
全長: 13.33 m
全幅: 16.15 m
全高: 4.06 m
翼面積: 31.3 m2
自重: 2,277 kg
最大離陸重量: 4,082 kg
エンジン: ライカミングO-540 260hp×3基

基本型と派生型

BN-2A Mk III-1: 最初の派生型で、ノーズが短い形状。
BN-2A Mk III-2: ノーズを延長し、離陸重量を向上させた。
BN-2A Mk III-3: アメリカ国内での運航に対応した派生型。
BN-2A Mk III-4: III-2にジェット推進機を追加した派生型。

この他、計画のみの仕様として、防音客室やコックピット・エンジンの近代化を行う「BN-2A Mk III-5」、軍用型の「トライランダーM」が存在しました。

主な導入航空会社

ケイマン航空
ローガンエアー
ユニー航空
エア・パシフィック
ボツワナ国防軍

関連事項

* 飛行機

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