ブルノ・サーキット

ブルノ・サーキット（Automotodrom Brno）

ブルノ・サーキットは、チェコ共和国のブルノ近郊にあるモータースポーツのサーキットであり、タイヤの渋滞や過酷なコース条件で知られています。このサーキットは、しばしばトマーシュ・マサリクに因んでマサリク・サーキットとも呼ばれ、MotoGPをはじめとする多くの重要なレースの舞台として人気を集めています。

歴史と背景

ブルノにおいて、ロードレース世界選手権のチェコ・スロバキア・グランプリが始まったのは、古くは公道コースが使われていたころのことです。しかし、1987年に常設のブルノ・サーキットがオープンして以来、この地で多くのレースが開催されるようになりました。特に1993年にチェコスロバキアが分割された後も、チェコグランプリとしてその開催は続き、MotoGPの中でも観客動員数が高いイベントとして知られています。

コースの特徴

ブルノ・サーキットは、元々F1開催を念頭に置いて設計されたため、コース幅が広く、全長は5403.19メートル、最長の直線は636.56メートルです。サーキットは右回りで14のコーナーを有し、その中でも右コーナーは8つ存在します。特に高低差が73.63メートルもあり、コースの終盤には7.52%の急勾配が存在し、選手たちにとってチャレンジングな部分となっています。

コースを進むと、ホームストレートからターン1に入った後、次に直線が続きますが、ターン4以降は下りのコーナーが続きます。ここではS字状の左→右旋回が多く見られますが、比較的軽いターン3とヘアピン状のターン8のみがストレートへ直接繋がっています。そのため、タイヤの片減りが顕著に現れることがあります。特にターン6から10にかけては、狭くタイトなセクションが連続し、フロントを滑らせてしまう転倒シーンも散見されます。

最後のターン11のヘアピンを抜けると、急な上りの区間となり、特に軽排気量のバイクではエンジンパワーを維持しながら速やかにコーナーをクリアすることが重要です。

現状と将来

近年、ブルノ・サーキットは資金難に直面しており、チェコGPの開催が危ぶまれています。路面の劣化が問題になっており、多くのライダーから再舗装を求める声が上がっています。2021年にはMotoGPを含む世界選手権の開催が行われないことが発表されましたが、2024年8月には2025年からのMotoGP復帰が正式に報じられ、希望の光が見え始めました。

このように、ブルノ・サーキットはその独特のコース設計と歴史的背景から、魅力的なモータースポーツの場として、今後も多くのファンに楽しませてくれることでしょう。

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