ブルボン公

ブルボン公とは

ブルボン公（duc de Bourbon）は、フランスの公爵位の一つです。その歴史は、ブルボン朝以前の時代にブルボン家が代々世襲していたことに始まります。ブルボン朝時代には、傍系のブルボン＝コンデ家がこの称号を使用しましたが、同家が断絶した後は、長らく用いられなくなりました。しかし、後にスペイン・ブルボン家出身の正統主義者（レジティミスト）が推すフランス王位請求者カディス公アルフォンソが称号を復活させ、現在はその息子であるルイス・アルフォンソが儀礼称号として使用しています。

ブルボン公の歴史

ブルボン家の起源は、ルイ9世聖王の末子クレルモン伯ロベールと、古ブルボン家の血を引くベアトリス・ド・ブルゴーニュの息子ルイに遡ります。ルイはシャルル4世長身王によって初代ブルボン公に叙せられました。以後、ブルボン家の当主が代々この称号を世襲しましたが、シャルル3世の死によってブルボン家本流が断絶し、傍系のヴァンドーム公シャルルがブルボン家家長を継承しました。ただし、ブルボン公の称号と所領はヴァロワ＝アングレーム王家のものとなりました。その後、ヴァロワ＝アングレーム家が断絶し、王位に就いたブルボン朝の創始者アンリ4世は、ヴァンドーム公シャルルの孫にあたります。

ブルボン公の系譜

以下に、歴代のブルボン公の一覧を示します。

ブルボン朝以前

ルイ1世（1327年 - 1341年）
ピエール1世（1341年 - 1356年）
ルイ2世（1356年 - 1410年）
ジャン1世（1410年 - 1434年）
シャルル1世（1434年 - 1456年）
ジャン2世（1456年 - 1488年）
シャルル2世（1488年）
ピエール2世（1488年 - 1503年）
シュザンヌ（1503年 - 1521年）

ブルボン＝モンパンシエ家

シャルル3世（1505年 - 1523年/1527年）

ヴァロワ＝アングレーム家

ルイーズ・ド・サヴォワ（1523年 - 1531年）
シャルル4世（オルレアン公シャルル2世、1544年 - 1545年）
アンリ（フランス王アンリ3世、1566年 - 1574年）

ブルボン＝コンデ家

ブルボン朝においては、アンリ4世の叔父コンデ公ルイ1世を祖とするブルボン＝コンデ家において、コンデ公ルイ2世（大コンデ）以降にブルボン公の称号が用いられるようになりました。

ルイ2世（1661年 - 1686年）
アンリ（コンデ公アンリ3世の長男、1667年 - 1670年）
ルイ3世（1670年 - 1709年）
ルイ4世アンリ（1709年 - 1736年）
ルイ5世ジョゼフ（1736年 - 1772年）
ルイ6世アンリ（1756年 - 1830年）

ブルボン＝コンデ家は、度重なる近親婚が原因で精神に異常をきたす者が多く現れ、1830年にルイ6世アンリが自殺したことで断絶しました。

レジティミストの王位請求者

ルイ6世の自殺があった1830年には7月革命が勃発し、復古ブルボン朝が倒れました。その後、ブルボン公の称号はオルレアン家、ブルボン家嫡流の王位請求者、スペイン・ブルボン家のカルリスタ王位請求者のいずれも用いることはありませんでした。しかし、スペイン王アルフォンソ13世の孫で正統主義者（レジティミスト）のフランス王位請求者、カディス公アルフォンソが称号を復活させました。

カディス公アルフォンソ（フランス王アルフォンス2世、1950年 - 1975年）
フランシスコ（ブルターニュ公フランソワ、1975年 - 1984年）　アルフォンソの長男
アンジュー公ルイス・アルフォンソ（フランス王ルイ20世、1984年 - ）　フランシスコの弟

脚注

この記事では、ブルボン公の歴史と系譜について概説しました。ブルボン公の称号は、フランス史における重要な役割を担い、その変遷はフランスの政治史と深く結びついています。

参考文献

（ここに参考文献情報を記載）

関連項目

ブルボネー
ムーラン (アリエ県)
* コンデ公

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