ブルース・キャンベル

1958年 6月22日にアメリカ合衆国ミシガン州バーミングハムで生まれたブルース・キャンベルは、俳優そして声優として幅広い分野で活躍しています。

彼のキャリアを語る上で欠かせないのが、映画監督であるサム・ライミとの特別な関係です。二人は中学校時代からの親友であり、まだ若かった頃から共に自主映画の制作に情熱を注いできました。この長年にわたる絆は、ライミ監督の作品群においてキャンベルが重要な役割を担うことにつながります。特に、彼をホラーアイコンとして世界に知らしめたのが、ライミ監督の代表作『死霊のはらわた』（Evil Dead）シリーズです。キャンベルはこのシリーズで主人公のアッシュ・ウィリアムズを演じ、その個性的なキャラクターは多くのファンを獲得しました。

サム・ライミ作品への出演は『死霊のはらわた』に留まらず、『スパイダーマン』シリーズなど、数多くの作品でその姿を見ることができます。また、映画製作の分野で高く評価されているコーエン兄弟とも交流があり、彼らの監督作品にもカメオ出演するなど、ジャンルを超えた活動を行っています。

ブルース・キャンベルの才能は演技だけにとどまりません。彼は脚本家や監督としても活動しており、映画製作における多角的な能力を発揮しています。さらに驚くべきことに、彼は牧師の資格を持っており、聖職者として実際に結婚式で式を執り行った経験もあるという、非常にユニークな一面も持ち合わせています。

長いキャリアの中で、様々な映画への出演が検討されてきました。サム・ライミ監督の初期作『XYZマーダーズ』や『ダークマン』をはじめ、『ゼイリブ』、『プリティ・ウーマン』、『スピード』、『ペット・セメタリー』、『ジュラシック・パーク』、『ヴァンパイア/最期の聖戦|ヴァンパイア_最期の聖戦』といった、歴史に残る名作への出演が打診されていたことが知られています。また、『メン・イン・ブラック』のエドガー役のオファーを受けながらも、別の作品である『トルネード』への出演を決めたため、これを断ったというエピソードも残っています。

個人的なエピソードもまた、彼の魅力の一部です。幼少時代、兄のドン・キャンベルとの喧嘩によってアゴに傷を負ったという話や、2003年にオレゴン州で自動車事故に遭った際、幸い軽傷で済んだものの、相手の飲酒運転者に殴られるという不運に見舞われた出来事などが語られています。好きな映画はデヴィッド・リーンの古典『戦場にかける橋』であり、ビールを飲むとゲップが止まらなくなる体質のため、普段は口にしないという意外な一面も持っています。

自身の名前を冠した「ブルースキャンベル映画祭」を毎年開催するなど、映画文化への貢献も続けています。

俳優、声優としての活動は多岐にわたり、特にゲーム作品への声の出演も目立ちます。『Broken Helix』(1997年)、『Spider-Man』(2002年)、『Evil Dead: Regeneration』(2005年)、『Dead by Daylight』(2019年)、『Evil Dead: The Game』(2022年)など、多くのゲームで彼の声を聞くことができます。『スパイダーマン』シリーズのゲームでは、映画と同じくナレーションなどを担当しました。

日本語吹き替えに関しては、『スパイダーマン』以降、主に江原正士が彼の出演作品の大半で声を担当しています。このほか、大塚芳忠、山野井仁、荒川太朗、池田秀一、田中秀幸といった実力派声優たちも、過去に彼の声を務めています。

ブルース・キャンベルは、長年の盟友サム・ライミとの共同作業でカルト的な人気を確立しただけでなく、俳優、声優、監督、脚本家、そして牧師という多彩な顔を持つ、他に類を見ない存在として、ハリウッドで独自の地位を築いています。

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