ブルーリボン賞 (鉄道)

ブルーリボン賞について

ブルーリボン賞は、1958年6月20日に鉄道友の会によって設立された、日本の鉄道車両に与えられる重要な賞です。この賞は、前年に新たに営業運転を開始した鉄道車両の中から、会員の投票によって選ばれます。毎年、選ばれる車両は1形式のみとなっており、鉄道ファンにとって特別な意味を持つ賞です。

設立の背景

ブルーリボン賞は、1957年に登場した当時の革新的な小田急3000形に対して、鉄道ファンからの栄誉を授けたいという願いから始まりました。この賞は、その後の車両選定においても、毎年鉄道ファンの声が反映されており、特急形車両や各私鉄の代表的な車両が選ばれています。2024年時点で、この栄誉を最も多く受賞したのは近畿日本鉄道で、9回の受賞があります。

選定プロセス

受賞者の選定は、投票を実施する年の前年末に行われる選考委員の選出から始まります。選考委員は、鉄道に精通している正会員から公正な判断ができる者が選ばれ、その後、候補車両の選定が行われます。選ばれる候補車両は、前年の1月1日から12月31日までに営業運転に就いた新しい車両や、それとみなされる改良車両です。

候補となる車両は、国内で営業運転中であり、特に公共の運輸に関する車両だけが対象とされます。また、従来の形式の車両でも、設計変更や新造されたものであれば候補になる可能性があります。これにより、柔軟な革新が求められ、事故や故障により営業運転から外れた場合は、もちろん候補から外されます。

国産以外の車両も以前は候補外でしたが、現在では製造国による制限はありません。多様な候補車両の中から、多数の選出が可能な点が魅力的です。

投票方法と選定

候補車両が決まると、会員への告知が行われ、指定された期間内に投票が行われます。1959年から1980年までの間は各会員が1形式に投票していましたが、1981年以降は2票の投票となり、より民主的な選定が行われています。投票の結果、原則として最も票を集めた車両が選定されますが、場合によっては2位以下の車両が選ばれることもあります。

過去には投票の結果、「該当車なし」となって選定が見送られることもありましたが、近年はそのような状況を避けるため、余程の理由がない限りは選定が行われています。選定基準上、特急車両が選びやすい傾向があり、他の車両と比べて特別な評価を受けやすいという特徴もあります。

発表と贈呈式

選定後は選考委員会の発表が行われ、選定された車両に対しては記念盾と表彰状が授与されます。この贈呈式では、受賞記念列車の走行会や撮影会も行われることが通例です。

記念プレート

受賞車両には、受賞年を記した記念プレートが車両に設置されます。このプレートは、初期の横長形式から現在の丸型形式に変更され、他の銘板と共に特別なデザインが施されています。

まとめ

ブルーリボン賞は、鉄道の進化を祝福し、鉄道ファンの愛情と情熱を形にした重要な賞であり、受賞車両は日本の鉄道文化において象徴的な存在となっています。この賞を通して、今後も革新と魅力溢れる鉄道車両が誕生することが期待されます。

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