ブロックハウス・エフロン百科事典

『ブロックハウス・エフロン百科事典』は、ロシア帝国時代にサンクトペテルブルクで出版された、ロシア語による百科事典です。この百科事典は、完全版が全86巻、小型版が全35巻という、当時としては非常に大規模なものでした。1890年から1907年にかけて、イリヤ・アブラモビッチ・エフロンの出版社と、ドイツのライプツィヒに拠点を置くF・A・ブロックハウス社が共同で出版しました。

この百科事典の大きな特徴は、その執筆陣の豪華さにあります。ドミトリ・メンデレーエフやウラジーミル・ソロヴィヨフといった、ロシア革命以前の著名なロシア人学者たちが多数参加し、各分野における専門知識と見識を注ぎ込みました。その結果、『ブロックハウス・エフロン百科事典』は、当時のロシアにおける学術水準を示すとともに、歴史的にも貴重な資料として評価されています。

この百科事典は、その内容の深さと幅広さから、単なる知識の集積にとどまらず、当時のロシア社会や文化、思想を理解するための重要な手がかりとなります。しかし、その影響力の大きさゆえに、ソビエト連邦時代には再版が許されませんでした。これは、百科事典の内容が、ソ連のイデオロギーと相容れない部分を含んでいたためと考えられます。

その後、ソビエト連邦が崩壊すると、この百科事典は再び日の目を見ることになりました。再版されることによって、その歴史的価値が再認識され、現代の研究者や一般読者にとって貴重な資料として活用されています。

『ブロックハウス・エフロン百科事典』は、その出版から100年以上が経過した現在でも、ロシアの歴史と文化、学術を理解する上で欠かせない存在です。この百科事典を通じて、当時のロシア社会の知的な営みや、文化的な背景を垣間見ることができます。

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外部リンク

“Brockhaus and Efron Encyclopedic Dictionary. Full edition” (ロシア語) - 2009年10月26日閲覧。
digitized copy (Full edition in ロシア語) – DjVu format at Runivers.ru

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