ブロンプトン・バイシクル

ブロンプトン：折りたたみ自転車の代名詞

ブロンプトンは、アンドリュー・リッチーが設立したイギリスの折りたたみ自転車メーカー、およびその製品名です。正式名称はモデル名（例：M3L）ですが、日本では輸入元のミズタニ自転車が使用する「ブロンプトン」が広く認知されています。

特徴：折りたたみ性と実用性の融合

ブロンプトンの最大の特徴は、その優れた折りたたみ性能と高い実用性です。

迅速な折りたたみ： 慣れれば15秒で折りたたむことができます。
自立性： 箱型に折りたためば自立し、持ち運びも容易です。
堅牢性： 折り畳んだ状態でも形状が崩れません。

これらの特徴は、走行性能を犠牲にすることなく実現されており、スポーツ自転車ではなく、実用的な自転車として日常使いを想定した設計となっています。また、独自のフロントキャリアシステムにより、重い荷物も運搬可能です。

特に英国、オランダ、スペインで人気が高く、自転車通勤などにも多く利用されています。

折り畳み方

ブロンプトンの折りたたみ手順は以下の通りです。

1. 車体後半部を手前にひっくり返す（チェーンテンションは維持）。
2. フレームのヒンジを解き、右側に折り畳む（フォークを固定）。
3. シートポストを収納する。
4. ステムのヒンジを解き、右側に折り畳んで固定する。

広げる際は、この手順を逆に行います。慣れればスムーズに折りたたみ、展開できます。

車体構造：耐久性と軽量化のバランス

ブロンプトンの基本デザインは1986年以来、大きな変更はありません。しかし、毎年少しずつ改良が加えられています。

フレーム： 1986年の発売当初からクロムモリブデン鋼を使用し、高い耐久性を確保しています。2005年には軽量フレーム（チタン製部分）も追加されました。
変速機： 内装ギアを採用し、メンテナンスの容易さと耐久性を両立しています。スターメーアーチャー社製、SRAM社製、そしてブロンプトン独自開発の変速機が用意されています。
折り畳みサイズ： 565mm × 545mm × 250mm。16インチホイール。
重量： モデルによって9.8kg～13kg程度。
塗装： 厚いパウダー塗装。

モデル表記

ブロンプトンのモデル表記は、ハンドルバー（M、S、P）、変速段数（2、3、6段）、ツーリング装備の有無（L、R）、フレームの種類（スタンダード、軽量、-X）などを組み合わせた記号で表されます（例：M3L）。

オプションとアクセサリー

ブロンプトンには、様々なオプションとアクセサリーが用意されています。

フロントキャリアシステム： 専用バッグを装着できるシステム。様々な種類のバッグが用意されています。
イージーホイールキット： 折り畳んだ状態での移動を容易にするキャスターキット。
ハブダイナモ： 車輪の回転で発電するダイナモハブ。
輪行バッグ： 輪行のための様々なバッグが用意されています。

カスタマイズと改造

ブロンプトンは、多くのオーナーによってカスタマイズされています。

パーツ交換： ハンドルバー、サドル、ブレーキシューなどの交換は比較的容易です。
駆動系の変更： シマノやスターメーアーチャーの外装/内装ギアへの変更も可能ですが、難易度が高く、専門知識が必要です。
* 電動アシスト化： 専用の電動アシストキットも存在します。

ブロンプトンを主題とした作品

ブロンプトンは、漫画『並木橋通りアオバ自転車店』などにも登場し、その人気を示しています。また、毎年開催されるブロンプトン世界選手権は、ブロンプトンの文化を象徴するイベントです。

まとめ

ブロンプトンは、優れた折りたたみ性能と高い実用性を兼ね備えた、長く愛される折りたたみ自転車です。多様なモデルと豊富なアクセサリー、そしてカスタマイズの自由度により、様々なニーズに対応します。その魅力は、世界中のユーザーを惹きつけてやみません。

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