プエルタ・デル・ソル

プエルタ・デル・ソル（Puerta del Sol）は、スペインの首都マドリードの中心部に位置する広場です。その名前は「太陽の門」を意味し、かつてこの場所がマドリードを囲む城壁の門の一つであったことに由来します。15世紀には、門は太陽が昇る東を向いて設置され、中世の郊外が広がり始めた場所でもありました。

17世紀から19世紀にかけて、プエルタ・デル・ソルは市民の重要な交流の場として発展しました。スペイン各地や海外からの情報が集まる郵便局が置かれ、最新のニュースが集まる場所として賑わいました。広場にはサン・フェリペ修道院があり、宮廷のゴシップの噂も絶えませんでした。

旧郵便局の建物は、18世紀にフランス人建築家によって建設され、フランコ独裁時代には内務省や国防省の庁舎として使用されました。現在は、マドリード州の首相府が置かれています。プエルタ・デル・ソルには、スペイン内外で有名なランドマークが点在しており、広場の南側にはマドリード州首相公邸となっている旧郵便局があります。また、カルロス3世像も設置されており、彼は数々の公共事業を推進したことから「大王」とも呼ばれています。広場の東側には、有名なシェリー酒「ティオ・ペペ」のネオンサインが掲げられています。広場の北側には、マドリード市の紋章であるクマとイチゴノキの像が設置されており、かつて噴水があった場所にはマリブランカ（実際はウェヌス像）が立っています。

プエルタ・デル・ソルは、単なる交通の要所としてだけでなく、社会的抗議活動の象徴的な場所としても知られています。広場の中央には、マドリードの象徴的な中心であることを示すプレートが設置されています。2004年のマドリード列車爆破テロ事件後には抗議デモが行われ、2011年の15-M運動では連日多くの人々が集結し、抗議活動の拠点となりました。

プエルタ・デル・ソルは、マドリードの中心部に位置し、マヨール広場や王宮、国会、美術館などの主要な観光名所へのアクセスも便利です。地下にはマドリード地下鉄の1号線、2号線、3号線が乗り入れており、セルカニアス・マドリードも乗り入れています。広場周辺には多くの商業施設や飲食店が立ち並び、観光客や地元住民で賑わっています。ショッピング街として知られるプレシアードス通りや、エル・コルテ・イングレス百貨店、カフェ・マジョルカなどの人気店があります。深夜から早朝まで営業するバーやクラブも多く、ストリートミュージシャンの演奏も日常的に見られます。また、広場に面した通りには、マンションやオフィス、ユースホステルなどが混在しています。

プエルタ・デル・ソルは、歴史、文化、商業、交通の中心として、マドリードの魅力を象徴する場所です。昼夜を問わず活気があり、地元の人々や観光客にとって欠かせないスポットです。

もう一度検索