プファルツ=ビルケンフェルト家の歴史
プファルツ=ビルケンフェルト家、または
プファルツ=ツヴァイブリュッケン=ビルケンフェルト家は、ライン宮中伯系の
ヴィッテルスバッハ家の一派であり、その歴史は中世から続いています。この家系は、当初は
プファルツ地方のそれほど重要ではない後シュポンハイム伯領を与えられていましたが、時を経てその重要性が次第に高まっていきました。1844年に
バイエルン王国の王家となったのも、プファルツ=ビルケンフェルト家の系統なのです。
家系の始まり
この家系の起源は
プファルツ=ツヴァイブリュッケン公カール1世にさかのぼります。彼は
1569年に父である
プファルツ=ツヴァイブリュッケン公ヴォルフガングの5番目の息子として、後シュポンハイム伯領を相続し、ビルケンフェルトを居住地として選びました。
1595年にはバーデン=バーデンのエドゥアルト・フォルトゥナトとともにカステラウン条約を結び、ビルケンフェルトとアレンバッハを独占的に治めることが確認されました。この時期に、ビルケンフェルト城は大きく発展しました。
カール1世が
1600年に亡くなると、息子のゲオルク・ヴィルヘルムが後を継ぎ、
1669年まで統治しました。その後はカール2世オットーが短命で亡くなり、その遺領はクリスティアン2世に引き継がれました。彼は
ツヴァイブリュッケンを既に相続していたため、
プファルツ=ツヴァイブリュッケン=ビルケンフェルト家が成立したのです。
彼の息子クリスティアン3世は、
1717年にビルケンフェルトを離れビシュヴァイラーへ、さらに
1731年には
ツヴァイブリュッケンを相続し、そこに住むことになりました。後を継いだクリスティアン4世は、
貴賤結婚をしたため、異なる状況により2人の息子は相続権を失いました。クリスティアン3世の死後は甥のカール3世アウグスト・クリスティアンが統治者となりました。
権力の移行とカール3世アウグスト
カール3世アウグストの時代に、シュポンハイム伯領の最終的な分割が行われました。彼はバーデン辺境伯とともに分割を進め、最終的にビルケンフェルトを選びましたが、実際にはトラルバッハ周辺を選んで1747年から
1776年以降はビルケンフェルトはバーデンの独占的な所有地となりました。カール3世アウグストが
1795年に亡くなると、弟のマクシミリアン・ヨーゼフがその地位を引き継ぎます。
最後の
ツヴァイブリュッケン公となったマクシミリアン・ヨーゼフは、
1799年にはバイエルン選帝侯に任命され、
1806年には初代
バイエルン国王として即位しました。彼の人生と献身は、この家系の歴史に大きな影響を与えました。
特筆すべき人物と系譜
プファルツ=ビルケンフェルト家には、特に注目すべき人物がいました。その一人が、ヘッセン=ダルムシュタット方伯ルートヴィヒ9世の妃で、マクシミリアン・ヨーゼフ兄弟の伯母であるヘンリエッテ・カロリーネです。彼女は当時のヨーロッパでも著名な学者として称えられました。
この家系から分かれた家系の中には、クリスティアン2世の弟ヨハン・カールが祖となる
プファルツ=ビルケンフェルト=ゲルンハウゼン家があります。この一族は、マクシミリアン・ヨーゼフの選帝侯継承に貢献したことにより、
1799年以降「バイエルン公」の称号を授与されました。また、
オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后エリーザベトは、この家系からの出身です。
歴代領主の一覧
カール1世(
1584年 -
1600年)
ゲオルク・ヴィルヘルム(
1600年 -
1669年)
カール2世オットー(
1669年 -
1671年)
- - プファルツ=ビシュヴァイラー=ビルケンフェルト公
クリスティアン2世(
1671年 -
1717年)
クリスティアン3世(
1717年 -
1735年)
クリスティアン4世(
1735年 -
1775年)
カール3世アウグスト・クリスティアン(
1775年 -
1795年)
マクシミリアン・ヨーゼフ(
1795年 - )。
参考文献
- - Rodewald, Heinrich: Das Birkenfelder Schloß. Leben und Treiben an einer kleinen Fürstenresidenz 1584-1717. Enke, Birkenfeld 1927.
- - Wild, Klaus Eberhard: Zur Geschichte der Grafschaften Veldenz und Sponheim und der Birkenfelder Linien der pfälzischen Wittelsbacher. Mitteilungen des Vereins für Heimatkunde im Landkreis Birkenfeld 43. Birkenfeld 1982.
外部リンク
関連項目