プライド (一条ゆかりの漫画)

漫画『プライド』について

一条ゆかりによる日本の漫画『プライド』は、2002年の12月号から2010年の2月号にかけて、月刊『コーラス』で連載されました。本作は、コンクールを通じて成長していくオペラ歌手を目指す二人の女性の物語を中心に展開され、2007年には第11回文化庁メディア芸術祭でマンガ部門の優秀賞を受賞するなど、高い評価を受けました。2023年10月現在、発行部数は300万部を超えるヒット作となっています。また、2009年には実写映画化され、翌年には舞台化もされるなど、多方面での展開がされました。

あらすじ

物語は、オペラ歌手の夢を抱く麻見史緒が主人公です。彼女は音楽大学の卒業を控えたある日、同じくオペラ歌手を目指す緑川萌と出会います。萌は苦学生でありながら、オペラの道を志しています。しかし、史緒の父が経営する会社が倒産するという事態が起こり、彼女のイタリア留学が不可能になってしまいます。二人はその後、母国のコンクールで再会し、強いライバル関係が生まれます。

コンクールの決勝では、史緒の出番直前に萌が衝撃的な言葉を放ち、それが原因で史緒は失敗に終わってしまうのです。一方、萌は優勝し、留学とCDデビューの権利を手にします。

その後、史緒と萌はクラブ「プリマドンナ」で働くことになり、ここで二人の運命はさらに絡み合います。史緒は婚約者である神野隆と、結婚が取引だという観点から交際を始めますが、彼女と萌はお互いに歌うことで実力を引き出し、音楽の力で結びついていくのです。

ストーリーは、ウィーンやニューヨークを舞台に、史緒、萌、そして蘭丸の三人が音楽の世界に生きる姿を描いており、互いの成長と人間関係が複雑に交錯します。様々なオーディションやコンクール、商業音楽の世界での挑戦を通じて、彼女たちがどのように成長し、絆を築いていくのかが見どころです。

登場人物

• - 麻見史緒: 主人公で高いプライドを持つオペラ歌手。母を亡くしてからは父と二人三脚で生活を支え合う。
• - 緑川萌: 苦学するオペラ歌手で、史緒との競争を経て、自分の真の実力を認識する。
• - 池之端蘭丸: クラブのオーナーの息子で、史緒と萌とユニットを組んで活動する。
• - 神野隆: 史緒と婚約しているクィーンレコードの副社長。

高さと厳しさが共存するオペラの世界を舞台に、夢を追う人々の恋愛模様や、友情、裏切りが交錯する様子が繊細に描かれています。『プライド』は、音楽の素晴らしさと人間の情熱を映し出す感動的な作品と言えるでしょう。

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