プラウド・ボーイズ

プラウド・ボーイズの概要

プラウド・ボーイズ（Proud Boys）は2016年に設立された、アメリカおよびカナダを拠点とするオルタナ右翼の男性専用団体です。この団体は、ネオ・ファシズム思想を抱くとしてカナダの公安省によりテロ組織として登録されています。創設者はギャヴィン・マキニスで、団体名は彼が好んでいたディズニーの曲「Proud of Your Boy」から取られています。

団体の信条は、「現代社会を形作ったことを謝罪しない西洋文化優位主義者」とされており、アメリカ国内での活動に特化し、多くの都市でその名を馳せています。現在、ラテン系アメリカ人のエンリケ・タリオがリーダーを務めています。しかし、彼は2021年にテロ組織認定を受けて以降、厳しい法的な問題に直面することになります。

プラウド・ボーイズの活動

プラウド・ボーイズは、ニューヨークやポートランドなどアメリカ全土での抗議活動や演説で知られています。彼らは南部貧困法律センター（SPLC）によって「ヘイトグループ」としての位置付けをされています。この団体は過去にはFBIにより白人至上主義関連の過激派として分類されたこともあります。また、創設者のギャヴィン・マキニスは2018年に何らかのトラブルをキッカケに団体から離脱しました。

2021年1月には、アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件に参加したメンバーが多く逮捕され、リーダーのタリオはBLM運動の旗を燃やす活動に参加していたことから事前に逮捕されました。2023年には、扇動を共謀した罪と大統領の権限移行を妨害した罪で22年の禁錮を言い渡されています。

対立勢力との関係

政治的信条の違いから、プラウド・ボーイズはアンティファやブラック・ライヴズ・マターのようなリベラル系運動と激しい対立関係にあります。抗議活動や市民運動では、双方が対峙し時には暴力事件に発展することもあります。また、極右団体と協力して集会を開くことも多く、その際にはしばしばANTIFAとの衝突が発生しています。

トランプ大統領との関係

2020年の大統領選討論会において、当時のドナルド・トランプ大統領がプラウド・ボーイズについて言及したことで、大きな注目を集めました。彼の発言は団体への支持と受け取られ、さらなる議論を呼ぶことになりました。

制服と象徴

プラウド・ボーイズは、そのアイデンティティとしてフレッド・ペリーの黒と黄色のポロシャツを「非公式の制服」として採用しています。この他にも、ピンバッジやバンダナなどで独自のシンボルを示すことがあります。フレッド・ペリー社は、彼らの活動とその象徴としての使用に強く反発し、北米市場でのポロシャツの販売を停止しました。

これらの要素から、プラウド・ボーイズは単なる団体ではなく、現代アメリカの政治における象徴的な存在となっていることが見て取れます。

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