プラズマ・核融合学会

一般社団法人プラズマ・核融合学会

一般社団法人プラズマ・核融合学会は、英語名を The Japan Society of Plasma Science and Nuclear Fusion Research と称し、略称は JSPF です。日本の工学分野における学術研究団体として、プラズマ理工学および核融合科学の研究発展に貢献することを目的としています。本部は愛知県名古屋市千種区に置かれています。

この学会の歴史は、1958年2月10日に物理学者の湯川秀樹博士が会長となって設立された「核融合懇談会」に始まります。この懇談会を母体として、1983年に「プラズマ・核融合学会」が設立されました。当初は任意団体として活動していましたが、1988年に社団法人となり、2012年には一般社団法人へと改組されました。組織基盤の拡充として、2000年には九州・沖縄・山口支部が設置されています。また、我が国の核融合研究史における重要な節目を記念する活動も行っており、例えば2008年10月には、国内の核融合研究開始50周年を記念した特集号を学会誌で発行しています。

学会が対象とする研究領域は、核融合科学やプラズマ理工学といった基盤となる分野に加え、宇宙プラズマや産業への応用を目指すプラズマ応用技術など、広範にわたります。会員は、これらの分野で研究・開発に携わる大学や研究機関の研究者、将来を担う学生だけでなく、関連技術に興味を持つ一般の方々も含め、多岐にわたります。会員種別は、主に研究活動を行う正会員、学生である学生会員、そして学会の活動を財政的に支援する賛助会員があります。

学会は、研究成果の発表・交換、会員間の交流促進、および関連分野の普及啓発のために、年間を通じて様々な催事を開催しています。中心となる活動の一つは、毎年開催される年会です。ここでは、国内外の研究者による最新の研究発表や活発な議論が行われます。また、次世代の研究者の育成に注力しており、若手研究者を対象とした「若手フォーラム」（以前は「若手夏の学校」）、高校生に科学への興味を持ってもらうための「高校生シンポジウム」なども定期的に開催しています。

出版活動も学会の重要な役割の一つです。学会の機関誌である『プラズマ・核融合学会誌』は、日本語で発行され、会員の研究成果や学会からの情報を広く伝えています。国際的な情報発信のため、2006年には英文の電子ジャーナル『Plasma and Fusion Research（PFR）』を創刊しました。さらに、特定の研究集会における発表論文をまとめた『Journal of Plasma and Fusion Research SERIES（JPFR SERIES）』も刊行しており、専門的な議論の記録と共有を行っています。

本学会の歴代会長は、日本のプラズマおよび核融合研究分野を牽引してきた多くの功績ある研究者が務めてきました。設立以降の主な歴代会長は以下の通りです（括弧内は就任年）。

任意団体（プラズマ・核融合学会）
山本賢三（1983～1987）
社団法人プラズマ・核融合学会
山本賢三（1988）
関口忠（1989～1990）
森茂（1991～1994）
飯吉厚夫（1995～1998）
井上信幸（1999～2002）
髙村秀一（2003～2006）
松田慎三郎（2007～2008）
本島修（2009～2010）
小川雄一（2011）
一般社団法人プラズマ・核融合学会
小川雄一（2012）
二宮博正（2013～2014）
小森彰夫（2015〜2016）
吉田善章（2017〜2018）
森雅博（2019〜）

このように、一般社団法人プラズマ・核融合学会は、基礎から応用まで幅広いプラズマ・核融合関連研究の振興を通じて、科学技術の発展と社会への貢献を目指して活動を続けています。

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